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優先順位はiPhoneからApple Watchに移った? Appleの新製品発表会を読み解く

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日本時間の 13日未明にアップルが発表した新型iPhone。 「さあiPhoneの 話をしようか」 と壇上で切り出したティム・ クックCEOは「私たちはiPhoneXを次の レベルに引き上げる。 私たちが今まで作ったiPhoneの 中で最も先進的なもの 」 「iPhoneXが画期
日本時間の13日未明にアップルが発表した新型iPhone。「さあiPhoneの話をしようか」と壇上で切り出したティム・クックCEOは「私たちはiPhoneXを次のレベルに引き上げる。私たちが今まで作ったiPhoneの中で最も先進的なもの」「iPhoneXが画期的な進化を遂げ、より多くの人々が利用できるようになった。我々は最高のラインナップを提供できると思っている」とその出来栄えをアピールした。
今回発表された3機種はいずれも「ホームボタン」を廃止して顔認証を採用、さらに電池の持続時間が伸びている。新型が発売されるたびに長い行列ができるなど、日本では根強い人気を誇るiPhone。しかしスマートフォンの世界シェアでアップルはサムスン、フェーウェイに続く3位に転落している。ネット上にも「iPhoneどんどん大きくなってく。もはや片手じゃもう無理だね」「512GBとか普通にノートPCより上だ。でも基本機能刷新だけで新機能は特になさげかな」「今のところ新型iPhoneにサプライズ無し。うーん、全てがGalaxyの後追い感」「iPhone発表されても心が踊らなくなった」「新型iPhoneデカくね?」「iPhoneにMAXとかつけちゃうのはダサいの極み。ジョブズ泣いとるで今頃」と、批判的な声も少なくなかった。
13日放送のAbemaTV『 AbemaPrime 』に出演したITジャーナリストの三上洋氏は「サムスン・アップルの2強とそれ以外、という戦いだったのが、中国メーカーの躍進が著しく、特にファーウェイは全世界に進出し、サムスンを追い越す勢いだと言われている。6位以下にも中国の面白い新興メーカーが出てきている」と話す。
フィル・シラー上級副社長が「iPhoneXsを皆さんに紹介できることにとても興奮を覚える」と、10万円を超える高価格の「Xs」「Xs MAX」に自信を覗かせた一方で廉価版の「XR」を用意したのは、こうした新興メーカーの存在を意識しているのだろうか。三上氏は「一部のラインナップにはSIMカードが2枚入る仕組みがある。これは2社と契約をして携帯電話番号を切り替えられる中国だけの仕様なので、やはり中国を意識した設計なのかなと思う」との見方を示した。
東京工業大学の柳瀬博一教授は「アップルのシェアは日本で異様に高いが、最初からシェアを狙って製品を作っている会社ではない。”GAFA”と呼ばれるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルという4大企業の中で、アップル以外はタダ、もしくはものすごく安いサービスを提供して他が追従できない状況を作り、10億、20億というユーザー数を取ってしまう。これに対しアップルはブランド企業だ。むしろ高いけれど他ができない良いものを作り、”アップル・ワールド”に入ったら二度と逃げられないようにしてしまう。実は4社のうち、最初に時価総額1兆円を超えたのもアップルだ。ただ、ここに中国企業どんどん入ってきた時に、果たしてこのままの勢いが続くのかということについては色々な意見がある」
柳瀬氏の話を受けて三上氏は「今回、XRは大きく価格を下げて勝負をするのではないかという噂もあったが、それをしなかった。やはり中国でもハイエンドに寄せ、高級ブランド路線にしても一定のシェアを取れるという計算でやっていると思う」と話した。
今回、iPhoneとともに新製品が発表されたのが「Apple Watch」。三上氏も「Apple Watchのシリーズ4はかなりいいものが出てきた」と評価。また、「当初のApple Watchはスマートフォンを持っている前提で、その電波のとどく範囲で使うものだった。それが2つ前のモデルから独立して使うようになった。携帯電話のSIMも入れるようになったし、Suicaのような決済機能もある。また、心拍計だけでなく心電図もついた。アメリカのFDAの認可を取っているので、医療機器として使えてしまう。また、加速度センサーやジャイロスコープがあるので、持ち主が倒れたということを検知し、60秒以内に操作がなければ緊急電話を発信する」と、ヘルスケア領域の新機能に注目。「スマホはほぼ完成形になっていて、これ以上革新的なびっくりするようなものは出てこないかもしれない。そんな中、ウェアラブルの分野はまだまだこれからだし、シェアが取れそうなところだ」と話した。
柳瀬氏も「アップルは世界のウェアラブル市場の17%を持っていて、年間2800万台も売っている。スマートフォンの次はウェアラブル+αだと思う。今は”時計”として見ているが、”身体に着けるコンピュータ”のマーケットを先に取っておくという観点で言えばApple Watchに力を入れていると感じた。iPhoneよりもApple Watchを先にプレゼンテーションしたことからも、それがわかる」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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