共産党の第27回党大会が15日午後、静岡県熱海市の党研修施設で開幕した。次期衆院選に向けた野党共闘について、 志 位 和 夫 委員長は「後戻りすることは決してない。いつ衆院解散となっても勝利するため共闘態勢をつくり上げる」と強調。野党統一候補の相互支援構築と共通政策の合意を目指す考えを示した。また、民進、自由、社民3党の幹部が初めて出席してあいさつし、共闘強化に前向きに取り組む考えをそれぞれ表明した。
共産「本気の共闘」迫る=民進は及び腰
民進党の 安 住 淳 代表代行は「できる限りの協力を行うための話し合いを、積極的かつ具体的に進めていくことを約束する。一日も早く態勢を整え、来るべき決戦に備えたい」と明言。共通政策に関しても「ある一定の幅の中に寄せ合うことは可能だ」との認識を示した。
自由党は当初、 森 裕 子 参院会長の出席を予告していたが、小沢一郎代表が登壇。「野党がもっともっと緊密な協力関係を構築し、政権交代を実現しようではないか」と訴えた。社民党の吉田忠智党首も「真の共闘を達成しなければならない」と主張した。 一方、志位氏は「野党が本気で共闘を進めるなら、野党連合政権の問題を避けて通ることはできない。前向きの合意は決定的に重要だ」と述べ、かねて提唱している連合政権構想に改めて意欲を表明。衆院小選挙区の対応に関しては「相互推薦が最も望ましいが、条件によっては(より緩やかな)相互支援もあり得る」と述べ、必ずしも推薦にこだわらない考えを示した。
共産党大会の開催は2014年以来3年ぶり。会期は4日間で、最終日の18日に当面の活動方針となる大会決議案を採択する。「衆院比例代表で850万票獲得」との目標などを盛り込む。 18日には幹部人事を決定。早期の衆院解散・総選挙も念頭に、志位氏と 小 池 晃 書記局長は続投する見通しだ。 ◇共産党をめぐる最近の動き 【2014年】 12月 衆院選で公示前の8議席から21議席に躍進 【15年】 9月 安全保障関連法成立。共産党が安保法廃止を目的とした「国民連合政府」構想を提唱 【16年】 1月 共産党議員が、天皇陛下がお言葉を述べる国会開会式に初めて出席 6月 藤 野 保 史 政策委員長が防衛費を「人を殺すための予算」と発言し、辞任 7月 参院選で改選3議席から倍増となる6議席を獲得。野党候補を一本化した1人区(全32)では11選挙区で野党が勝利 8月 民進党支持団体の連合が、次期衆院選の野党共闘について「共産党とは一線を画すことが大原則」と表明 9月 民進党代表に 蓮 舫 氏就任。野党4党が党首会談で、次期衆院選での共闘継続を確認 10月 新潟県知事選で共産党などが推薦した野党系候補が勝利 衆院2補選で野党統一候補の民進党公認が敗北 11月 志位和夫委員長が党大会決議案を提示。野党共闘を発展させ「野党連合政権」樹立を目標に打ち出す 12月 小池晃書記局長が次期衆院選で15の小選挙区を党の「必勝区」と位置付けると表明 【17年】 1月 次期衆院選の共通政策をめぐる野党4党の実務者協議がスタート (2017/01/15-18:36)