米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転候補地、馬毛島(まげしま)を抱える鹿児島県西之表(にしのおもて)市の市長選は29日投開票されたが候補6人による混戦の末、いずれも法定得票(有効投票数の4分の1以上)に届かず仕切り直しとなった。
公職選挙法は、最多得票の候補が法定得票数以上を獲得できなかった場合、当選資格を与えず、2週間の異議申し立て期間の後、50日以内に再選挙を実施すると定めている。法定得票数は再選挙の続出を受け1952年の法改正で緩和された。
法改正後に首長選で再選挙となったのは、1979年の千葉県富津市長選▽92年の奈良県広陵町長選▽2003年の札幌市長選▽07年の宮城県加美町長選で、今回実施されれば5例目となる。
西之表市長選はFCLP移転受け入れに反対してきた現職が引退を表明し、元市議と元新聞記者の計6人が出馬。2人が移転容認で、4人が反対と分かれた。移転容認派は米軍再編交付金などによる地域経済活性化をアピールし、反対派は騒音問題や事故の危険性を訴えた。
FCLPは陸地を甲板に見立て離着陸を繰り返す訓練。米軍再編による厚木基地(神奈川県)空母艦載機部隊の岩国基地(山口県岩国市)移転に合わせ、FCLPも硫黄島(東京都)からの移転が計画された。政府は馬毛島を候補地とし、島のほぼ全域を所有する開発会社と交渉し昨年11月、用地買収額を確定する手続きに入った。部隊の岩国移転は今年11月以降進められる見通し。【田中韻、山下俊輔】
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