“休筆”、 連載分を5月に刊行 著者の 病気の ため中断した内田康夫さん(82)の 連載小説「孤道」 の 単行本が5月12日、 未完の まま毎日新聞出版から刊行されることになった。 内田さんは21日、 小説の “休筆宣言”をするとともに、 続編となる完結編を一般募集することを発表する。
著者の病気のため中断した内田康夫さん(82)の連載小説「孤道」の単行本が5月12日、未完のまま毎日新聞出版から刊行されることになった。内田さんは21日、小説の“休筆宣言”をするとともに、続編となる完結編を一般募集することを発表する。
連載は2014年12月、毎日新聞夕刊でスタート。翌年7月に脳梗塞(こうそく)で倒れ、連載は8月12日204回で中断していた。完結することを目指し療養に励んでいたが、左半身にまひが残り、執筆を断念。休筆宣言に至った。
「孤道」は、熊野古道と阿武山古墳(大阪府高槻市)をつなぐ謎を追う歴史ロマン。浅見光彦シリーズの114冊目で、3年ぶりの新刊となる。同シリーズは映像化され、累計発行部数9600万部の人気作品。内田さんは「完結編を書けないことが返す返すも残念です」としながら、「浅見は『これで軽井沢のセンセ(内田さんのこと)に、あることないことを書かれなくてすむ』と思うことでしょう」と笑いも見せる。
一方で、「未完のままでは惜しい」と、完結編となる長編小説の公募を提案。自身、自費出版した「死者の木霊」で1980年にデビューしたこともあり、「世に眠っている才能の後押しができれば」と話す。5月12日に募集が始まる。
今後は妻・早坂真紀さんの助けで短歌を作る。「“リハビリ短歌”とでもいうのでしょうか」と内田さん。
<思えども思い通りにいかぬ腕なぜこのやまいなぜこのやまい>
詳しくは講談社文庫サイト内「内田康夫と早坂真紀の夫婦短歌」(http://www.