千葉県我孫子市北新田の 排水路にかかる橋の 下でベトナム国籍の 同県松戸市立六実（むつみ）第二小３年、 レェ・ ティ・ ニャット・ リンさん（９）＝同市六実５＝が遺体で見つかった事件で、 遺体の 顔に硬い物で殴られたような痕があったことが、 捜査関係者への 取材で分かった。 首には絞められたような痕があり、 司法解剖の 結果、 死因は窒息死の 可能性が高いという。
千葉県我孫子市北新田の排水路にかかる橋の下でベトナム国籍の同県松戸市立六実（むつみ）第二小３年、レェ・ティ・ニャット・リンさん（９）＝同市六実５＝が遺体で見つかった事件で、遺体の顔に硬い物で殴られたような痕があったことが、捜査関係者への取材で分かった。首には絞められたような痕があり、司法解剖の結果、死因は窒息死の可能性が高いという。
捜査関係者によると、遺体の状況から２５日夜までに殺害されたとみられる。手足には小さな傷があった。詳細な死因は今後、さらに詳しい検査で特定するという。
遺体が発見された場所には争ったような形跡はなく、リンさんは別の場所で殺害された後に車などで運ばれ、人目につきにくい橋の下に遺棄されたとみられる。
捜査本部によるとリンさんは２４日午前８時ごろ、修了式に出席するため自宅を出た後に行方不明になった。自宅玄関の防犯カメラには１人で出かけるリンさんが映っていたが、通学路沿いの他の防犯カメラではリンさんの姿は確認されていない。
背負っていた赤いランドセルは遺体の付近からは見つからなかった。県警は２７日までに県内外で複数のランドセルを回収したが、いずれもリンさんのものと特定されていないという。県警は、自宅を出て間もない段階で事件に巻き込まれた可能性があるとみて、足取りの特定を急いでいる。【斎藤文太郎、信田真由美】
レェ・ティ・ニャット・リンさん（９）が通っていた六実第二小の古庄誠校長（６０）が２７日、同校で記者会見した。「将来ある命が奪われ、悔しい」と話し、春休み中の学校行事の中止などを明らかにした。
同校によると、２０１５年１２月に川崎市から引っ越して転入したころのリンさんは、日本語であいさつができる程度だったが、日本語支援のスタッフの指導を受け、ぐんぐん上達した。三戸貴生教頭（５９）に「学校大好き」と話すなど、いつも元気だったという。
同校はスクールカウンセラーが対応する保護者や児童向けの電話相談を実施する。３０日に予定していた転任する教師とのお別れ会を中止。新年度はサッカー部などの練習を自粛し、全児童を同じ時間帯に下校させる。古庄校長は「一刻も早く事件が解決し、安心して生活ができることを願っている」とする一方、「（学校として）どうやって防いだらいいのか」と苦渋をにじませた。
同校は２７日夜、臨時保護者会を開き、事件の経緯などについて説明した。２年生の男子児童の父親（４８）は「この状況では子供を外出させられない」と話した。【橋本利昭、橋口正、田ノ上達也】
