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16年度経常黒字 9年ぶり高水準

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財務省が11日発表した2016年度の 国際収支速報によると、 海外との モノやサービス、 投資の 取引状況を示す経常収支は前年度比13.1%増の 20兆1990億円の 黒字となった。 黒字幅の 拡大は3年連続。 リーマン・ ショック前の 2007年度(24兆3376億円)以来9年ぶりの 高水準で、 比較可能な1985年以降では06年に次ぎ3番目の 大幅な黒字。 原油安や円高で輸入が減り、 貿易黒字が大幅に拡大したことが大きな要因になった。
財務省が11日発表した2016年度の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支は前年度比13.1%増の20兆1990億円の黒字となった。黒字幅の拡大は3年連続。リーマン・ショック前の2007年度(24兆3376億円)以来9年ぶりの高水準で、比較可能な1985年以降では06年に次ぎ3番目の大幅な黒字。原油安や円高で輸入が減り、貿易黒字が大幅に拡大したことが大きな要因になった。
16年度の貿易黒字は、5兆7654億円で、前年度の17.5倍と大幅に改善した。輸出は円高進行による円換算の金額の減少で、前年度比3.4%減の70兆6520億円となったが、原油価格の下落や円高の進行で、輸入が同10.9%減の64兆8866億円と輸出を大幅に下回った。
同時に発表した16年の国別の経常収支では、対米国が12兆7244億円の黒字で最大だった。このうち貿易収支の黒字が8兆9139億円を占めた。米商務省が4日発表した3月の貿易収支では対日赤字が約9年ぶりの高水準となっており、ロス米商務長官が「米国はこれ以上耐えられない」とする異例の声明を出す場面もあったが、日米貿易を「不公平」と批判してきたトランプ政権からの風当たりが一段と強まる可能性がある。
他方、経常黒字が9年ぶりに20兆円を超えた背景には、海外からの配当・利子収入などを示す「第1次所得収支」の増加がある。07年までは経常黒字の稼ぎ頭は貿易黒字だったが、08年のリーマン・ショックや11年の東日本大震災後の原発停止に伴う火力発電用の燃料輸入の増加などにより赤字体質が定着。これに対し、所得収支の黒字は、日本企業の海外進出などグローバル化の進展で、00年代半ばから増加傾向にある。16年度の第1次所得収支の黒字は、18兆356億円と07年度当時を約1.5兆円上回っている。また、訪日外国人が日本で使った金額から日本人が海外で使った金額を差し引いた「旅行収支」の黒字は1兆2789億円と過去最大を更新した。【中島和哉】

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