トランプ米大統領は28日、 ホワイトハウス職員の トップであるプリーバス首席補佐官を更迭し、 後任にケリー国土安全保障長官を指名したとツイッターで表明した。 ツイッターだけで閣僚級幹
トランプ米大統領に更迭されたプリーバス大統領首席補佐官（右、写真は１月22日）＝ロイター 【ワシントン＝川合智之】トランプ米大統領は28日、ホワイトハウス職員のトップであるプリーバス首席補佐官を更迭し、後任にケリー国土安全保障長官を指名したとツイッターで表明した。ツイッターだけで閣僚級幹部の交代を発表するのは異例。21日辞任したスパイサー前大統領報道官に続いてホワイトハウスの体制を抜本的に差し替える方針だが相次ぐ交代劇で混乱は避けられない。 トランプ氏は「ケリー氏は国土安全保障省で目を見張る仕事を成し遂げており、私の政権のスターだ」と評した。ケリー氏は海兵隊退役大将で、中南米担当の南方軍司令官などを務めた。長官就任後はトランプ氏の入国制限令や国境警備強化などの実務にあたった。 米メディアによると、プリーバス氏の更迭は27日付。同氏は前共和党全国委員長で、ライアン下院議長ら党指導部と関係が深い。ただ、議会共和党は医療保険制度改革法（オバマケア）の見直しで党内調整に失敗し、法案成立の見通しが立たないことにトランプ氏が不満を募らせたとされる。 トランプ氏周辺とロシアとの不透明な関係を巡る疑惑「ロシアゲート」で政権内部から情報漏れが後を絶たず、トランプ氏が新たに起用したスカラムチ広報部長は27日、米メディアに対し、プリーバス氏を漏洩元だと断じて非難した。プリーバス氏はスカラムチ氏の就任に反対していた。 トランプ政権では発足半年の間に、フリン前大統領補佐官やコミー前米連邦捜査局（ＦＢＩ）長官、スパイサー前報道官など幹部が相次ぎ代わっている。トランプ氏は足元でロシア疑惑を巡りセッションズ司法長官にも不満を表明している。 同政権ではほかに、クシュナー上級顧問とバノン首席戦略官との確執も取り沙汰されており、統治能力への疑念が増すのは避けられない。
