棋界で初めて国民栄誉賞の 授与が決まった将棋の 羽生善治竜王(47)と囲碁の 本因坊文裕(もんゆう)(28)=井山裕太九段。 囲碁・ 将棋界の 「仕事始め」 に当たる5日、 それぞれ将棋の 指し初め式、 囲碁の 打ち初め式に臨む中で朗報が舞い込んだ。
棋界で初めて国民栄誉賞の授与が決まった将棋の羽生善治竜王(47)と囲碁の本因坊文裕(もんゆう)(28)=井山裕太九段。囲碁・将棋界の「仕事始め」に当たる5日、それぞれ将棋の指し初め式、囲碁の打ち初め式に臨む中で朗報が舞い込んだ。
文裕はこの日午前、恒例となっている日本棋院関西総本部梅田囲碁サロン(大阪市北区)での打ち初め式に出席。年頭に届いた朗報に「光栄です。私自身は(棋士として)まだまだですが、これからに期待していただいていると思って精いっぱい頑張りたい」と喜びを述べ、大勢のファンから拍手が湧いた。
国内棋戦だけでなく、中国、韓国のトップ棋士ともしのぎを削る文裕は、今月8日から中国雲南省保山市で開催される第5回世界囲碁名人争覇戦に出場するのを皮切りに、今年は世界戦が目白押し。「新たな挑戦の1年になるが頑張りたい」と、日本の第一人者らしい決意を述べた。
打ち初め式で文裕と連碁を打った兵庫県尼崎市の村上一彦さん(52)は「井山先生には世界戦で優勝してもらって、将棋に負けないよう囲碁を盛り上げてほしい」と話し、祝福した。
午後には大阪市内で会見し、「身に余る光栄だが、長い歴史がある囲碁界全体を評価していただきうれしい」と謙虚に喜びを語った。また、羽生竜王との同時受賞について、「羽生先生は世界は違うが大きな目標であり憧れ。先生のように長く活躍できる棋士になれるよう頑張りたい」と話した。
会見に同席した師匠の石井邦生九段(76)は「囲碁界にとっても大変なサプライズで、盛り上がると思う。受賞でプレッシャーも感じるだろうが、しっかり歩んでほしい」と愛弟子のさらなる活躍に期待していた。【新土居仁昌、花澤茂人】