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南北首脳が会談へ 「完全な非核化」に道筋を

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南北首脳会談を迎える。 トランプ米大統領と北朝鮮の 金正恩朝鮮労働党委員長の 直接対話に先立ち、 意義の ある会談となるよう期待したい。 一貫して目指すべき課題は、 北朝鮮の …
南北首脳会談を迎える。トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の直接対話に先立ち、意義のある会談となるよう期待したい。
一貫して目指すべき課題は、北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化である。
軍事境界線の韓国側に出向いてくる金正恩氏に対し、韓国の文在寅大統領はそれが北朝鮮に求められている状況だと誤りなく伝えるべきだ。
明確な意思を示し、具体的な行動に移す。それなしには、朝鮮半島の平和構築はもとより、北朝鮮の安定的な存続も困難だ。融和ムードを演出するより、本質的な問題を突き付けるときである。
金正恩氏は先に、核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を中止すると表明したものの、非核化に言及しなかった。
国連決議が北朝鮮に要求しているのは、核、生物、化学の大量破壊兵器とあらゆる弾道ミサイルの放棄である。実行されない限り、北朝鮮は平和への脅威であり続け、国際社会の輪の中に入っていけない。
南北双方がこの認識を共有しなければ、協議は進展しまい。
北朝鮮が話し合いの場に出てきたのは、国際圧力によるところが大きい。非核化の実現まで、引き続き圧力をかけ続けるのは当然のことである。
安倍晋三首相は文氏に電話し、「最大限の圧力の継続」を申し合わせた。トランプ氏も「最大限の圧力」を強調している。
北朝鮮問題をめぐる日米韓3カ国の連携は今後、ますます重要になる。北朝鮮のいかなる言動にも結束して対応し、非核化へと導いていく必要がある。
文氏には、目先の成果ではなく本当の意味で朝鮮半島や地域の平和と安定につなげることを考えてほしい。南北間の平和構築の取り決めが、その後の対北交渉を制約するものとなってはなるまい。
北朝鮮は過去、核凍結、放棄の約束をほごにしてきた。トップの発言を慎重に見極めるべきだ。
文氏は金正恩氏に拉致問題も提起するという。北朝鮮の国家犯罪であり、拉致被害者全員の帰国要求を突き付けてほしい。
トランプ氏も米朝会談で拉致問題解決に「ベストを尽くす」と述べている。政府は、2つの会談での提起を今後の直接交渉につなげる検討を急ぐべきである。

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