愛媛県今治市の 松山刑務所大井造船作業場から脱走した平尾龍磨（たつま）容疑者が確保された現場は、 ＪＲ広島駅と広島カープの 本拠地・ マツダスタジアムをつなぐ通称「カープロード」 に近く、 野球観戦の ファンもよく通る住宅街の 一角だ【社会】
愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した平尾 龍磨 （ たつま ） 容疑者が確保された現場は、ＪＲ広島駅と広島カープの本拠地・マツダスタジアムをつなぐ通称「カープロード」に近く、野球観戦のファンもよく通る住宅街の一角だった。
３０日も、デーゲーム終了後の午後６時頃からは、帰宅するファンであふれ、逮捕の知らせに驚きと 安堵 （ あんど ） の声が聞かれた。
捕まったのは、広島―阪神戦のデーゲームが始まる約２時間前の午前１１時４０分頃。カープ戦観戦のため、現場近くを通りかかった会社員男性（４７）は、警察官が「こら、待て」と叫びながらパトカーの助手席から飛び出すのに気付いた。平尾容疑者は飛びかかった警察官に取り押さえられたといい、「まさか平尾受刑者だとは」と驚いた様子だった。
現場近くの女性（７３）も、警察官２人が男を走って追い掛けるのを目撃した。男は小学校の塀によじ登ろうとしたが、警察官が引きずり下ろし、道路で押さえ込んだ。「とにかく足が速かった。ひったくりかと思ったので、後でニュースで知りびっくりした」と話した。
叫び声を聞いて外を見たという現場近くに住む女性（２７）は「５、６人の警察官が人を押さえ込んでいた。『平尾確保』という声が聞こえ、犯人の顔をみるとテレビで見覚えのある顔だったので、逃走犯だとわかった」と話した。
友人４人と観戦を終えた広島市中区の飲食業の女性（３９）は「試合前後はカープファンも大勢通るところだから、万一、危害を加えるようなことがあったかと考えると怖い。捕まってよかった」。逃走中の平尾容疑者が壁をよじ登ろうとした同市立荒神町小学校に長男（８）が通う会社員の男性（４９）は「このまま逃げてもしも学校に潜むようなことがあったとしたら本当に怖かった。これでほっとできる」と胸をなで下ろした。
家族ら４人で観戦に来ていた福山市立戸手小４年の男児（１０）は「こんな街の中で信じられない」と驚き、「学校でも遊ぶときには注意するよう言われていたので、これで安心して遊べる」と喜んだ。
平尾容疑者が潜伏していた向島に仕事でよく行っていたという、広島市西区の会社員男性（４３）は「仕事のお客さんたちも気持ちが悪いと言っていたので解決して良かった」と話した。
