開幕1軍を逃し、 華々しさとは無縁の 日々。 阪神の 中谷は「ファンからの 『早く1軍に上がってこい』という言葉が励みになった」 という。 伝統の 一戦で4万6703人が詰めかけた甲子園。 遅ればせながら、 8年目の 25歳が主役となった。 同点の 九回2死一、 二塁で打席に。 それまで4打席凡退といいところがなかったが、 「何も考えずに無心で入ろうと思った」 。 余分な欲を捨て、 ボールだけに集中したことが殊勲打につながった。 沢村の 沈む球に食らいつき、 打球はしぶとく三遊間を抜けた。 二塁走者の 糸原が本塁を陥れた瞬間、 中谷は両手
開幕1軍を逃し、華々しさとは無縁の日々。阪神の中谷は「ファンからの『早く1軍に上がってこい』という言葉が励みになった」という。伝統の一戦で4万6703人が詰めかけた甲子園。遅ればせながら、8年目の25歳が主役となった。 同点の九回2死一、二塁で打席に。それまで4打席凡退といいところがなかったが、「何も考えずに無心で入ろうと思った」。余分な欲を捨て、ボールだけに集中したことが殊勲打につながった。 沢村の沈む球に食らいつき、打球はしぶとく三遊間を抜けた。二塁走者の糸原が本塁を陥れた瞬間、中谷は両手を挙げて喜んだ。今季初のサヨナラ勝ちをもたらし、「もう心臓バクバクでした」。 昨季、チームトップの20本塁打でブレーク。今季は周囲の期待も高かったが、オープン戦で結果を残せず開幕前に2軍へ。上から声がかかるのを辛抱強く待ち、ようやく今月22日に昇格した。 待望の一打はチームにとっても大きい。今季初の4連勝で3位に浮上し、貯金を「1」に。交流戦を前に上り調子だ。「使ってもらっているからには結果で応えたい」。ロサリオが不振の今、同じ右の大砲にかかる期待は大きい。(2018/05/26-19:59)