人気グループ「TOKIO」 の 山口達也さん(46)=起訴猶予処分=の 強制わいせつ事件を受け、 TOKIOメンバーの 城島茂さん、 国分太一さん、 松岡昌宏さん、 長瀬智也さんは記者会見を開いた。 国分さんは今後の 音楽活動について、 「今は白紙。 音楽活動を考えることはやめ、 向き合えることに向き合いたい」 と答えた。 【
人気グループ「TOKIO」の山口達也さん(46)=起訴猶予処分=の強制わいせつ事件を受け、TOKIOメンバーの城島茂さん、国分太一さん、松岡昌宏さん、長瀬智也さんは記者会見を開いた。国分さんは今後の音楽活動について、「今は白紙。音楽活動を考えることはやめ、向き合えることに向き合いたい」と答えた。【統合デジタル取材センター】
--以前、城島さんは「メンバーが1人抜けたら芸能界から足を洗う覚悟で」と話していた。その点について今、思うことを聞かせてほしい。
城島さん 雑誌のインタビューで答えていますし、テレビ番組で発言もしていますが、自らリーダーという名のもとにおいて、その責任において、TOKIOという名前を消さない、継続していくことがリーダーとしての役目だと言ってきました。
まさかこういうことになるとは、もちろん思ってもみませんでした。実際どうすべきか、正直申しますが、いただいているお仕事もいろいろあります。グループとしての仕事の継続というのもいただきました。4人の中、謹慎している山口がどうしていくのかも含めて、山口に関しては分からない部分も多いんですが、TOKIO4人が頑張ってくれという声もいただいております。自分自身の言動の中で、「じゃあ、どうするんだ」というとき、これ以上、周りの方にご迷惑をおかけすることはあってはならないと(思っています)。自分の発言の責任もあるんですが、これもまたリーダーとしての責任ではないかと思っているのが実情です。
--TOKIOの皆さんは、東日本大震災と福島原発事故以降、福島の農産物のPRに大変尽力されてきました。国分さんも事件発覚の翌日に、福島の農産物について、言及してくださいました。今回このような悲しい事件がありましたが、福島の復興再生に向けてどのように取り組まれるお考えですか。
城島さん えー、TOKIOにとって、出身はみんなバラバラですけど、心のふるさとである福島、そして福島の皆さんに対して、いやー、言葉が出ないのが悔しいくらいなんですけど、すみません、いやー、いやー、何とおわびしていいのか。えー、自分たちが実際に福島でいろんな作業させていただいて、いろんなことを大自然の中から教わって、いろんなことを生産者の方から教わって、裏切る結果になってしまったのが本当に申し訳ないです。今後どうやっていくべきかと言いますと、もう本当にこれまで以上に、メンバーで頑張っていくしかないなっていうのが、絞り出す答えです。こんな自分たちですけども、はってでも、何をしてでも、頑張っていくしかないと思っております。はい。
松岡さん あれだけ大変な思いをされた福島の皆様に、僕らが応援させていただくという形を取らせていただいて、番組でお世話になった方々もいます。本当に、感謝しても感謝しきれないくらいお世話になりました。その方々に結果、泥を塗ってしまうことになってしまったことに、本当に申し訳ない思いです。何を言ってもきれいごとに聞こえてしまいます。まずこの4人で、しっかり行動できることがあるんであれば、これからも、もし可能なんでしたら、僕らにできることがあったらさせてください、という気持ちです。
長瀬さん こういうような形で、裏切るような形になってしまったことが、申し訳ない気持ちでいっぱいですし、こういう質問が生まれてしまうことに対しても、申し訳なく思っています。復興に対しても、今までと気持ちは変わりませんが、そこに対しても、今後、僕らが考えていく義務があるのかなと、思っています。
国分さん はい。メンバーもそうだと思いますし、僕個人的にも、タレントとしてではなく、個人の男として、福島の皆さんに成長させてもらったと思っています。公式で、自分たちが福島を応援できなくなっても、個人個人が応援するってことは忘れずに、これからも福島を応援し続けたいと思っています。自分のやっている番組でも、福島の農家さんの声を聞きました。かなり厳しい声も聞きました。それでも、福島の野菜は何にも悪いことをしていませんし、それでまた風評が出てしまうのは申し訳ないことだと思います。その野菜の信頼回復のためにも、公式でなくても、これからも福島を応援していきたいと思います。
--退職願はTOKIOではなく、事務所を辞める意味でしたか。
城島さん はい、ご迷惑をおかけしたということで、その内容は、事務所を退所しますということでした。本人も言っていましたが「こういうことを書いたことがないから、正解が分からないけど、書いてきた」と言って、差し出してきました。
--「被害者に対して向き合っていく」というお話をされていましたけど、山口さんはどう被害者の方に向き合っていくか、その話し合いの場でおっしゃっていましたか。
国分さん 「もう一度、実際に会って、謝罪したい」ということを言っていました。しかし、相手がそれを望むか分からない、というようなことは言っていました。
--きょう国分さんは番組でジャニーさんのコメントを涙ながらに取り上げていましたが、ほかのメンバーはどう捉えていますか。
松岡さん 自分たちを生んでくれた親ですから、親にそんなコメントを出させるような、情けない気持ちでいっぱいです。
城島さん 社長とは電話で話しました。まあ、とにかく怒られるものだと思っていましたら、逆に「どうなってるの、大丈夫なのか」と(心配してくれた)。そういうことを言わせた自分たちがものすごく情けなく……。なんか久々に社長の声を聞いたような気がしまして、ものすごく、なんかあの弱々しいというか……。なんて言うんですかね、時が流れたのを感じて、「確かに23年たったんだな、まだ心配させているんだ、このグループは」と思って、情けない気がしました。
長瀬さん こういう形でのコメントで、申し訳ないなという気持ちです。いろいろ思うことや、考えることがありましたけど、苦しくもありがたく、受け取らせていただきました。
--事件を知って1週間、さまざまな思いがあったと思う。皆さん、TOKIOにとって、この1週間はどんなものだったか。
城島さん 正直、(4月)30日にメンバー全員がそろうまでは、何がどうなっているのか、話せないこともあるということだったので、本当に山口の会見くらいの情報しか、自分も分からない部分がありました。
情報源はスポーツ紙でしたし、ワイドショーを拝見しまして、「ああ、こういうことを皆さんおっしゃっているんだな」と。いろんな方、いろんな意見があって、それはどうなのかっていう部分も含めて、ありがたいこともあれば、うれしい叱咤(しった)激励や批判も含めて、聞いてまいりました。
そんな1週間だったんですが、正直、太一の心労と言いますか……。自分の番組で、自分のグループのことを伝えなきゃいけない。現場で(国分さんと)会うんですけど、長い付き合いですから、(お互いに)口には出しません。横顔で、その気持ちが痛いほど分かったので、その彼の横顔を見るのがつらい1週間でした。
松岡さん この1週間、本当に被害に遭われた方とその親御さんはどういう気持ちなんだろうと思いました。自分だったらどうするだろうと、絶対許さないと思います。そういうことと闘いながら、テレビを見て、こういう状態になっているということを自分の中で整理しながら、僕らを知ってくださっている方々からのコメントがすごく痛くて申し訳なくて、言いたくもないであろう後輩たちもコメントしなきゃいけないことも多々ありました。こんな情けない先輩を持って、本当に申し訳ないと思いました。そんな1週間でした。
長瀬さん 事態を知って、そのまま次の現場に向かって、次の日に海外で仕事だったもんで、彼の会見を見てから、空港に向かい、同行するスタッフの方にまず謝罪させていただき、現地で撮影しながら、いろいろな報道とかを見させていただきながら、いろんな気持ちになりました。そして帰ってきて、こういう事態になってから、初めて5人で会って、全て何も整理ができないまま、物事が進んで、その中で、朝の報道番組で、太一くんとかリーダーがコメントしているのをずっと見てまして、なんかこう、隣にいられないことが苦しくなりましたね……。なんか、きっと4人、バラバラだったと思うんですけど、同じことを考えていたような気がします。
国分さん はい。この1週間は、もう本当に複雑な気持ちがたくさん出た1週間でした。毎日のように山口、そして自分たちの映像が出たりして、いろいろな方からアドバイスをもらったり、逃げ出したくなるような時もありました。でも今の自分の仕事は、ここを逃げてはいけない仕事だと思っています。これからも、自分のやっている番組で、この報道が出ると思いますが、それをひっくるめて、これが今のTOKIOなんだと、はい、思っています。複雑ではありますけれども、はい、この1週間、いろんなことを考えさせられた1週間でした。ただ、忘れてはいけないのは、被害者の方がいる、そのご家族が普段の生活に戻れる、それをこれからも考えていきたいと思います。
--音楽活動ができないことをファンの皆さんに謝っていましたが、音楽活動については、現時点でどうなりますでしょうか。
長瀬さん 僕らは23年間、バンドでやってきましたから、やはり、一つの音がなくなってしまうということは、そういうことなんだと思います。 TOKIOの楽曲は、彼の演奏する音がないと、全く形にはならないので、今、そういう状況で、それからのことは、これから、4人でまたゆっくりと考えながら、話し合いながら、やっていこうと思っています。
国分さん 去年から25周年に向けて5人で話し合ってきました。ここ最近、僕らはツアーとかもなく、ファンの皆さんも楽しみにしていたと思います。その25周年に向けて、「アルバム制作をこの時期にやりましょう」といろいろ考えてきましたが、今は白紙にして、とりあえず今は音楽活動を考えることはやめて、向き合えることに向き合っていきたいと思います。
城島さん もともとTOKIOっていうのが、1988年か、89年のときに山口達也と私城島が出会いまして、ギターとベースをやってた部分があって、「バンドやろうじゃないか」ということが(発足の経緯に)あったので、そこからメンバーが集まって、バンドをみんなでへたくそで、原宿の小さなスタジオを自分たちでとって、ああでもない、こうでもないと言って、やってた時代がありました。
そんなこんなで、そのころはデビューもしてませんし、TOKIOっていう名前はいただいていたんですが、うちの社長からはまだ仕事も何にもない時代から、なんだかんだやっていたんで、音楽がベースにあるのは間違いないと思うんですが、バラエティーとか役者の仕事とかいろんな仕事いただけるまでになりました。ありがたいです。
今回、こういうことになりまして、今白紙だと、音楽活動。正直、断腸の思いです。しかし、そんなことは言ってられません。被害者の方とご家族への謝罪の思いと、どうしていくべきか向かっていかなければいけないんで、そんなことは言ってられません。きちんとTOKIOとしてやるべきことをやっていくしかないなと思っています。
松岡さん ファンの方々は一番そこを気にしていたと思います。その声も、僕らにはちゃんと届いていましたし、だからこそ去年からしっかり、アルバム制作、25周年のライブというのも考えていました。喜んでもらおうと思って、いろいろ考えていました。本当に申し訳ないです。はい。
--今回被害に遭われたのは16歳という若い女性でした。この会見は本人、家族、関係者の方々も見ているかもしれません。城島さんにうかがいます。具体的にどう向き合っていくんでしょうか。
城島さん 今回メンバーで謝罪会見すること自体が、その被害者と親御さん、ご家族の方々、そっとしてほしいという声もあったので、これがふさわしい会見なのか、葛藤がありました。しかし、連帯責任という面も含めて、TOKIOとしてメンバー全員で謝罪すべきという思いがありましたので、お時間いただきましたことをご了承ください。
そして今、見ていらっしゃるかもしれませんが、しっかり向き合っていくということは、実際に謝罪の念、実際に謝りにいくべきなのかも含めて、今後メンバー全員で、具体的にどうしていくかという部分も含めて、話し合っていかなければならないと思います。
それがもし逆に迷惑になるということでしたら、それもよくないことでしょうし、まずはとにかく、事態がおおよそ分かったのが、30日月曜日の夜だったので、まず会見を開かさせていただきたいと会社にお願いしまして、こういう状況です。本当にちょっとずつで、時間がかかって申し訳ないんですが、後手後手に回っている感じもあります。本当に申し訳ないんですが、自分らの精いっぱいできることをなるべくきちんとやりたいと思っていますので、具体的な部分については今後考えていけたらなと思っています。(おわり)