○ロシア５－０サウジアラビア●（Ｗ杯１次リーグＡ組・ １４日） ロシアの チェリシェフが、 スペインで磨き上げた巧みな技術を惜しみなく披露した。 ジャゴエフの 負傷で急きょ巡ってきたチャンスをつかんで２得点の 活躍。 チームに勢いをもたらし、 開幕戦では１９３４年大会でイタリアが米国を７－１で降して以来となる大
○ロシア５－０サウジアラビア●（Ｗ杯１次リーグＡ組・１４日）
ロシアのチェリシェフが、スペインで磨き上げた巧みな技術を惜しみなく披露した。ジャゴエフの負傷で急きょ巡ってきたチャンスをつかんで２得点の活躍。チームに勢いをもたらし、開幕戦では１９３４年大会でイタリアが米国を７－１で降して以来となる大差をつけての歴史的な勝利を引き寄せた。
前半２４分からピッチに入った。同４３分、ペナルティーエリアの中でボールを受けると、相手ＤＦ２人がスライディングして圧力をかけてきた。「ほんの一瞬の判断だった」というが、２人をかわすようにボールをぽんと浮かせる。倒れ込んでいるＤＦの前へボールを出してコントロールし、左足でゴールへと強烈にたたき込んだ。後半ロスタイムには、相手ＤＦが寄せに来るよりも速く左足を振り切ってつま先でシュート。再び豪快にネットを揺らしてチームに４点目をもたらした。
元ロシア代表ＦＷの父とともに６歳でスペインに移り住んだ。レアル・マドリードの下部組織で育ち、セビリアなどスペインリーグを渡り歩いて、現在はビリャレアルに所属する。試合の最優秀選手に選ばれ出席した記者会見では「スペイン語で答えてもいいか」と断り、世界トップレベルでもまれてきた時間の長さを示した。
２年前に就任したチェルチェソフ監督の下では今年３月に初めてロシア代表に招集された。 Ｗ杯メンバーになったことさえ大きな喜びだっただけに、２７歳は「このうれしさをどう表現したらいいのか」。ソ連時代の１９８６年メキシコ大会以来の１次リーグ突破へ向けたラッキーボーイになるかもしれない。【丹下友紀子】
