【ソウル時事】 シンガポールで開かれた史上初の 米朝首脳会談から3週間が過ぎた。 しかし、 北朝鮮の 金正恩朝鮮労働党委員長は「完全な非核化」 への 具体的な動きを見せぬまま、 現地指導で経済重視の 姿勢を強調。 ポンペオ米国務長官は5日、 北朝鮮に向けて出発するが、 非核化の 具体策を引き出せるかは不透明だ。 核・ ミサイル開発で国際的な孤立を深めた北朝鮮だが、 中国や韓国との 関係改善に加え、 米朝会談の 実現で外交環境は激変。 トランプ米政権は非核化に応じるまで制裁は解除しない方針だが、 北朝鮮への 国際的圧力は既に弱まりつつあ
【ソウル時事】シンガポールで開かれた史上初の米朝首脳会談から3週間が過ぎた。しかし、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「完全な非核化」への具体的な動きを見せぬまま、現地指導で経済重視の姿勢を強調。ポンペオ米国務長官は5日、北朝鮮に向けて出発するが、非核化の具体策を引き出せるかは不透明だ。 核・ミサイル開発で国際的な孤立を深めた北朝鮮だが、中国や韓国との関係改善に加え、米朝会談の実現で外交環境は激変。トランプ米政権は非核化に応じるまで制裁は解除しない方針だが、北朝鮮への国際的圧力は既に弱まりつつあるとの見方もある。 2日付の朝鮮労働党機関紙・労働新聞(電子版)によれば、正恩氏は中朝国境に接する北西部・平安北道新義州の紡績工場を訪れ、「紡績工業の発展は人民生活向上の突破口を開くことになり、非常に重要な意義を持つ」と強調した。 また、同紙は6月30日、正恩氏が平安北道薪島郡の農場を現地指導したと報道。薪島郡には中朝が2011年に共同開発で合意し、その後開発が中断された国境地帯の黄金坪地区が含まれる。 正恩氏は米朝会談後の6月19~20日に訪中し、習近平国家主席と3回目の首脳会談を行った。中国農業科学院なども視察し、経済発展への関心の高さもうかがわせた。こうした視察や中朝国境付近での現地指導には、制裁解除を見据えて中国の経済協力を引き出し、非核化へ動かぬまま「経済建設」を進める狙いがあるとみられる。(2018/07/04-18:36)