（１３日、 高校野球 近江４－３前橋育英) 前橋育英の エース恩田の バント処理の スピードに球場が沸き立った。 同点の 八回無死一塁、 三塁側への 絶妙なゴロに鋭く反応。 すかさず二塁へ送球し、 投―遊―一の 併殺に仕…
（１３日、高校野球 近江４－３前橋育英)
前橋育英のエース恩田のバント処理のスピードに球場が沸き立った。
同点の八回無死一塁、三塁側への絶妙なゴロに鋭く反応。すかさず二塁へ送球し、投―遊―一の併殺に仕留めた。恩田は「練習してきたプレー。二塁へ投げるのに迷いはなかった」。
身長１７２センチ、体重は６０キロの恩田の足の速さはチーム一だ。「５０メートル５秒８か９」。荒井監督も「あのバント処理は彼のセンスですね。普通のいいバントだったと思うが、私たちからすると、よくやるプレーです」とほほえみながら語った。
２０１３年夏、２年生右腕の高橋光成（西武）らを擁して、初出場で初優勝した前橋育英は今大会で３年連続４回目の出場だった。荒井監督は、「昨秋、今春と結果が出ず、非常に厳しいと思っていたチームが甲子園まで来た。どこまで成長するのかなと思っていた」という。
そんなチームで恩田は１回戦、近大付を完封。２―０での接戦に勝利した。
この日も、体のバネを生かした投球で強打の近江を八回まで３失点に抑えていた。二回には自ら２点適時打も放ち、存在感を示した。
恩田を中心にたくましくなったチームを見て、荒井監督は「新たな伝統になる」と喜んだ。
九回無死満塁、恩田は右足がつり、治療後の初球を打たれて、サヨナラ負けした。だが、試合後の表情に悲壮感はなかった。「とにかく楽しくて、緊張もしなかった」と胸を張った。（坂名信行）
前橋育英の二塁手笹沢は同点の九回、近江の先頭打者のゴロを失策した。「足がうまく動かなかった」。二回にセーフティースクイズを決めたときは無心だったのに「同点にされてから球場がわくたびに鳥肌が立つくらい周りを意識してしまった」。無死満塁、中前に抜ける打球に飛びついたが、届かず。サヨナラ負けに涙が止まらなかった。
●北原（前） 六回に長打を放つなど、主将の意地をみせたが惜敗。「守りで恩田を助けることができなかった。ここまで支えてくれた皆に感謝したい」
