アメリカや中国などとの 対話に踏み出した北朝鮮が、 国連決議によって輸入を制限されている石油精製品を自国の 船は使わず、 外国船…
アメリカや中国などとの対話に踏み出した北朝鮮が、国連決議によって輸入を制限されている石油精製品を自国の船は使わず、外国船籍の船どうしで洋上で積み替えさせるという新たな「瀬取り」の手口で密輸入していたことがわかりました。 北朝鮮に対する制裁決議の実施状況を調べる国連安全保障理事会の専門家パネルはことし上半期の状況について中間報告書をまとめ、3日、制裁委員会に提出しました。 安保理関係筋によりますと、報告書はことし4月に東シナ海の公海上でロシア船籍のタンカーからベリーズ船籍のタンカーに石油精製品を積み替えるいわゆる「瀬取り」が行われ、その後、北朝鮮の港で荷揚げされたと指摘しています。 報告書は、「瀬取り」が発覚しにくいよう自国の船を介在させず、外国船籍の船どうしで行わせる新たな手口だとしています。 さらに報告書は、北朝鮮が去年8月の安保理決議で輸出が全面禁止された石炭をことし3月から4月にかけて自国船籍の石炭運搬船に積載し、ベトナム沖の公海上まで運んで船籍が確認できない複数の小型の貨物船に洋上で積み替えたこともわかったとしています。 このほか報告書は、ロシアが自国で北朝鮮との合弁企業を新たに設置することを禁じる決議に違反して建設分野などで合弁事業を行っているとしていて、今後、関係国に対し制裁を着実に実施するよう求める声が高まることが予想されます。