拳銃の 取り扱いをめぐる警察官の 不祥事案は後を絶たない
自民党総裁選の演説会で9月14日に和歌山市を訪れていた安倍晋三首相らを警護していた和歌山県警の20代男性巡査が、走行中の車両から実弾入りの拳銃を落としていたことが明らかになった。
県警が15日に発表したと、 朝日新聞デジタル などが報じた。
拳銃が路上に落ちているのを住民が見つけ、約1時間20分後に届け出たという。
巡査は機動隊に所属しており、この日は安倍首相の車列を車両に乗って警護を担当していた。私服で車両の助手席に乗り込み、車列の最後尾だったという。
巡査は14日午後7時50分ごろ、和歌山市内の交差点で一般車両を止めようと助手席の窓から身を乗り出した。その際、左脇につけていた拳銃のケースの留め具が窓枠に引っかかって外れ、拳銃が路上に落ちたという。
巡査は別の警察官と車を降りて探したが見つからなかった。その後も約50人の警察官が捜索にあたったが発見できなかった。
散歩中の男性が歩道に落ちている拳銃を見つけ、午後9時10分ごろに捜索中の警察官に渡したという。男性は拾った後、いったん帰宅してから届け出たと県警に説明。県警は、拳銃や実弾には異常はなかったとしている。
NHKニュース によると、県警の的場克郎警備課長は「警察官が拳銃を落としたことは大変、遺憾に感じています。今後、このようなことが二度とないように再発防止に努めてまいります」と話した。
拳銃の取り扱いをめぐる警察官の不祥事案は後を絶たない。2017年7月には、兵庫県警鉄道警察隊の男性巡査長が訓練で使った拳銃を警察署の保管庫に返し忘れ、そのまま自宅に持ち帰った。実弾は入っていなかった。
同12月には、群馬県警機動捜査隊の男性巡査部長が、同県太田市内のドラッグストアのトイレ内に実弾入の拳銃を置き忘れた。トイレの壁にかけたが、出る際に忘れたという。
2015年6月には、福島県警機動隊の男性巡査部長が捜査中に実弾5発入りの拳銃を福島県郡山市のリサイクル店に置き忘れた。
同3月には千葉県警の女性巡査部長が成田空港第1ターミナルのトイレに寄った際、実弾5発が入った拳銃を置き忘れた。