【エルサレム時事】 米政府が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への 拠出中止を発表したことを受け、 同機関の 財政危機が深刻化し、 中東に500万人を超えるパレスチナ難民の 人道状況悪化が懸念されている。 トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの 首都と宣言した際と同様に大規模抗議デモに発展したり、 場合によっては地域全体の 不安定化につながったりする可能性も指摘される。 米政府は8月31日、 UNRWAが恒常的に財政難で、 対象となる難民数の 増加などを理由に、 「直しようの ない欠陥の ある事業への 拠出は行わな
【エルサレム時事】米政府が国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への拠出中止を発表したことを受け、同機関の財政危機が深刻化し、中東に500万人を超えるパレスチナ難民の人道状況悪化が懸念されている。トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と宣言した際と同様に大規模抗議デモに発展したり、場合によっては地域全体の不安定化につながったりする可能性も指摘される。 米政府は8月31日、UNRWAが恒常的に財政難で、対象となる難民数の増加などを理由に、「直しようのない欠陥のある事業への拠出は行わない」と発表した。米国は同機関の最大拠出国で、昨年は約3億6000万ドル(約399億円)を拠出したが、今年の拠出額はわずか6000万ドル(約66億円)にとどまっていた。 パレスチナ解放機構(PLO)の難民担当部門のアハマド・ハンヌーン局長は、「もし米国がUNRWAをつぶしたとしても、パレスチナ難民は難民で居続ける」と指摘。ただし、「UNRWAが崩壊すれば、地域全体の社会や経済、治安が不安定になる。欧州は難民が押し寄せるのではないかと懸念するだろう」と警告した。(2018/09/01-14:53)