下院と上院で議会が「ねじれ」 状態となった米中間選挙の 結果は、 今後どの ような影響を及ぼすの か。 米国政治と通商政策の 2点について、 米識者に聞いた。 ◇■デービッド・ ジョーンズ氏(ニューヨーク市立…
下院と上院で議会が「ねじれ」状態となった米中間選挙の結果は、今後どのような影響を及ぼすのか。米国政治と通商政策の2点について、米識者に聞いた。

民主党が下院の過半数をとれば、頭の中はほとんど2020年の大統領選になる。審議する法案一つを選ぶにしても、「これは国民の支持を得られる問題か、共和党を苦境に追い込むことが出来るか」という発想になる。
仮に共和党と交渉して法案を作り、成立させても、民主党の手柄を嫌うトランプ大統領が拒否権を使う可能性がある。そうすれば、民主党にとって、超党派の法案を大統領が潰したと主張できるので、望ましい展開だろう。
一方で、トランプ氏も自分のやりたい法案が通らなくなったら、野党が潰したと攻撃する。自分の考えを押し通そうと、議会ではなく大統領の権限を使った政策を打ち出していく。今後の2年間は、法案の中身や成否に関する戦いと言うよりも、言葉と駆け引きの応酬になり、非生産的になるだろう。
トランプ氏の弾劾(だんがい)も、民主党にとって、そう簡単な話ではない。クリントン元大統領に対し、当時野党だった共和党は弾劾に突き進み、結局上院で無罪となった。クリントン氏の支持率が回復し、共和党は批判を受けた。民主党幹部は当時のことを覚えている。(聞き手・土佐茂生)

下院を民主党が制してもトランプ大統領の強硬な通商政策は大きく変わらない。むしろ、保護主義的傾向が強まるシナリオがありうる。米経済が減速すれば、通商政策でより強硬に出ようとするだろう。
通商問題は大統領の権限でできることが多い。米労働者と製造業を守ると訴えるトランプ氏の主張に共感する民主党議員もいる。議会には本気でトランプ氏を止めようという議員はいないようにみえる。
通商紛争を抱える中国への懸念も、超党派で共有されている点が多い。当面は、中国からの輸入品2670億ドル(約30兆円)分への追加関税について、実施に踏み切るかが焦点だ。
輸入車への関税も、発動すれば米国の消費者への巨額課税につながるため、中間選挙前の発動は見送ってきた。ただ、政権はあきらめておらず、発動に向けて動き出すかもしれない。
北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉で9月末にまとめた新協定は今後、議会で審議される。自動車の貿易を制限する規定を含み、民主党もおおむね支持するだろう。中国への新たな関税をかけてしまえば、トランプ氏の次の標的は欧州と日本になる。(聞き手・青山直篤)

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