安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)にある中国科学技術大学「機械化学者」研究室では、新たな研究手法が注目を集めている。
安徽省(Anhui)合肥市(Hefei)にある中国科学技術大学「機械化学者」研究室では、新たな研究手法が注目を集めている。ここでは、研究者が忙しく動き回る姿はなく、操作台の間を自在に動き回る1台のロボットが作業を行っている。
このロボットを利用して、中国科技大の江俊(Jiang Jun)教授のチームは、55万種類の金属配合の中から最適な「高エントロピー触媒」をわずか5週間で特定した。しかも、このプロセスにはなんと、1万6000件の論文の読解、2万組の理論計算、200組の全プロセス機械実験データ分析が必要とされた。
このような膨大な計算量を、いったいどうやって短期間で完了できたのか?
その秘密は、実験室の近くの「合肥先進計算センター」にあった。
「合肥先進計算センター」に到着すると、まず目に入るのは淡い青色の巨大な立方体だ。ガラス張りの巨大な立方体の中には、「巢湖明月(Chaohu Mingyue)」と名付けられた、上下4層、合計200平方メートル余りの面積を占めるスーパーコンピュータが収まっている。
「合肥市ビッグデータ資産運営・多元計算サービスセンター」の張雲蕾(Zhang Yunlei)主任の話によると、このスーパーコンピュータには光通信対応のサーバー(計算ノード)が1500台以上搭載されており、その計算能力は「12ペタFLOPS」すなわち毎秒「1.2×10の16乗」の演算が可能だという。
張主任は「中国の人口は14億人余りだが、全員が毎秒1回の計算を行うとすれば、『12ペタFLOPS (1.