福岡市中央区の 起業支援施設（旧大名小学校）で東京都江東区の インターネットセキュリティー会社員、 岡本顕一郎さん（４１）が刺殺された事件で、 殺人容疑などで逮捕された福岡市東区の 無職、 松本英光容疑者（４２）が、 施設で岡本さんが講師を務めたセミナーの 開催を「約１カ月前にネットで知った」 と供述していることが
福岡市中央区の起業支援施設（旧大名小学校）で東京都江東区のインターネットセキュリティー会社員、岡本顕一郎さん（４１）が刺殺された事件で、殺人容疑などで逮捕された福岡市東区の無職、松本英光容疑者（４２）が、施設で岡本さんが講師を務めたセミナーの開催を「約１カ月前にネットで知った」と供述していることが、捜査関係者への取材で明らかになった。
松本容疑者がセミナー会場近くで３時間以上待ち伏せし、面識のない岡本さんの顔を確認していたことも判明し、福岡県警は計画的に事件に及んだとみて調べる。
捜査関係者によると、松本容疑者は２４日午後４時４０分ごろ現場周辺に到着。セミナー終了後の午後８時ごろ施設内のトイレで岡本さんを襲ったとしている。セミナー中に会場前の廊下をうろつく様子が施設の防犯カメラに映っており、この間に岡本さんの顔を確認していたとみられる。
事件後、松本容疑者は乗ってきた自転車で逃走し、途中の橋の欄干に血の付いた上着を、自宅近くの宇美川では自転車をそれぞれ捨てており、県警が押収。自宅で着替えた後、近くの交番に出頭した。
関係者によると、松本容疑者は熊本県天草市出身。地元の高校を卒業後、九州大文学部でイスラム文明を研究したが、８年通った末に退学した。その後は学生時代からアルバイトをしていたラーメン店に就職したが、ここ７、８年は仕事をせず実家からの仕送りなどで生活していた。父親（６８）は「最近メールした時は変わった様子はなかった。優しい子で、なぜこんな事になったのか……。被害者の方に申し訳ない」と話した。
県警は２６日、松本容疑者を福岡地検に送検した。【柿崎誠、宮崎隆、石井尚】
