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米入国拒否 「偉大な国」のすることか

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NewsHubトランプ米大統領が、シリアなど中東・アフリカ7カ国の国民の一定期間の入国停止や難民受け入れを凍結する大統領令を出した。 米国各地の空港で入国拒否が相次ぎ、多数の人が長時間拘束され、不快な身体検査を受けるなどの扱いを受けた。極めて憂慮すべき事態だ。 テロリストの入国阻止が目的というが、事前の説明もなく、影響の大きい政策を断行するのは乱暴すぎる。 7カ国はいずれもイスラム教徒が多数派を占める。選挙中に口にしていた「イスラム教徒入国禁止」の実行ではないか。開かれた国という大切な価値を損なっていることを、認識すべきである。 メキシコ国境に壁を造る問題と同様、さすがに実行には移さないだろう、と思われることに手を付ける。「トランプ流」を印象づけているつもりなのだろうか。 そこまでやるのは、自らの公約に手応えを感じている面もあるのだろう。だが、「白人優位」のような価値観の崩壊を食い止めようと、拙劣な方法に飛びついている印象が拭えない。 テロとの戦いの一環で、出入国が重要なカギとなることは間違いない。各国間で情報共有なども求められてきた。だが、米国が移民国家であり、さまざまな人種、宗教を受け入れ、それによる多様性を活力に発展してきたことを無視してはなるまい。 入国停止はそうした国柄に背を向けるものでもある。人種構成の変化という問題への対応につながるとは思えない。 トランプ氏の排他主義的政策ととらえ、空港などでは激しい抗議デモが行われている。分断は米国内にとどまらず、対象とされたイランは大統領令について「イスラム世界に対する疑う余地のない侮辱」と批判した。欧州でもフランスやドイツで非難の声が上がりはじめた。 欧州主要国は日本と同様、自由や平等という普遍的価値観で米国と結ばれてきた。だからこそ、中国やロシアなど、ルールを無視する国々を前に結束し、対抗する枠組みが維持されてきた。 大統領令に対し、米議会や州政府などにも反対の声は強い。司法により、強制送還を認めない仮処分が出されたが、根本的な問題解決ではない。やはり、暴走の元凶を見直すしかない。

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