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裁量労働 異なる前提で残業比較 首相答弁撤回

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裁量労働制に関する厚生労働省の データに疑義が生じている問題で、 厚労省は19日、 1日の 残業時間についての 質問項目が一般労働者と裁量労働制の 労働者で異なっていたとする調査結果を明らかにした。 一般労働者では調査対象月で残業が最長だった日の 時間を調べたの に対し、 裁量労働制では単なる労働時間を調べていた。 一般労働者の 時間が長くなるような調査だったことになり、 データの 使い方に問題があったことが改めて浮かんだ。
裁量労働制に関する厚生労働省のデータに疑義が生じている問題で、厚労省は19日、1日の残業時間についての質問項目が一般労働者と裁量労働制の労働者で異なっていたとする調査結果を明らかにした。一般労働者では調査対象月で残業が最長だった日の時間を調べたのに対し、裁量労働制では単なる労働時間を調べていた。一般労働者の時間が長くなるような調査だったことになり、データの使い方に問題があったことが改めて浮かんだ。
政府は今後、裁量労働制の対象拡大を盛り込んだ働き方改革関連法案の提出に向けて手続きを進める方針だが、野党は「捏造(ねつぞう)したデータだ」と反発を強めている。
問題となっているのは、厚労省が2013年に実施した「労働時間等総合実態調査」。全国の1万1575事業場ごとに「平均的な人」を1人選んで残業時間などを調べた。厚労省はこの結果を基に、裁量労働制で働く人の1日の労働時間は9時間16分で、一般労働者の9時間37分より短いというデータを算出した。
安倍晋三首相は1月29日の衆院予算委員会でデータを引用して裁量労働制の利点を強調したが、野党の調査で疑問点が次々と明らかになり、14日に答弁を撤回。厚労省がデータに問題はないかを精査していた。
厚労省によると、1日の残業時間を調べた際、一般労働者は調査対象月で残業が最長だった日の時間を質問していた。一方、裁量労働制では賃金台帳の記録などを基に、事業場で最も多くの労働者が残業している労働時間の層に含まれる人の時間を聞いていた。
また、元の調査で9事業場に1日の労働時間が23時間を超えるという、信ぴょう性が疑われるデータの人がいたが、個別にデータを確認した結果、労働時間が「1日45時間」など誤記と考えられるケースが少なくとも3件確認された。さらに、何らかの原因で突発的に残業時間が長くなっていたとみられる事例もあった。【古関俊樹、後藤豪】
実際に働いた時間でなく、あらかじめ決めた「みなし労働時間」を基に残業代込みの賃金を支払う制度。仕事の進め方や時間配分を自分で決められる労働者に限り適用できる。公認会計士や新聞記者など専門性の高い業務をする労働者が対象の「専門業務型」と、企業の中枢で企画立案などをする労働者が対象の「企画業務型」の2種類がある。政府は働き方改革関連法案で、営業職の一部への対象拡大を目指している。

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