栃木県那須町で県立大田原高校山岳部の 生徒ら8人が死亡した雪崩事故から1年となった27日、 同町で県などが主催する追悼式が営まれた。 雪崩現場付近には臨時の 献花台を設置。 多くの 人が犠牲者の 冥福を祈り、 事故
栃木県那須町で県立大田原高校山岳部の生徒ら8人が死亡した雪崩事故から1年となった27日、同町で県などが主催する追悼式が営まれた。雪崩現場付近には臨時の献花台を設置。多くの人が犠牲者の冥福を祈り、事故の再発防止を誓った。 雪崩事故現場を望む献花台にはたくさんの花束が供えられた(27日午前、栃木県那須町) 追悼式には県関係者や大田原高の生徒ら約130人が参列。午前10時すぎに1分間の黙とうがささげられた後、福田富一知事は「亡くなられた方の無念さ、最愛の家族を失われた遺族の悲しみを思うと、痛惜の念に堪えません」と述べた。 県教育委員会の宇田貞夫教育長は「安全を最優先しなければならない部活動で悲惨な事故を起こしてしまった。悔やんでも悔やみきれない」と謝罪。「私たちの使命は二度とこのような事故を起こさないこと。事故を風化させない」と誓った。 追悼式には遺族の大半が欠席した。遺族は23日、開設したホームページ上で遺族一同の声明文を公表。「追悼式開催について遺族に何の相談もなく決められた。県教委の対応に不信感が募る」と欠席の理由を挙げた。 一方、雪崩が起きた茶臼岳の斜面を望む麓の広場に設置された献花台では親族らが手を合わせた。事故で亡くなった大田原高2年、鏑木悠輔さん(当時17)の親族、木下岩男さん(74)は「元気で帰ってきてほしかった。夢もたくさんあったと思う。残念だ」と空を見つめた。 那須町で土産店を営む鈴木成子さん(78)は、犠牲になった男子高校生が「事故前日もジュースを買いに来てくれた。『おばちゃん、明日も登るんだよ』と元気に話していたのにどうして……」と顔を覆った。 雪崩は昨年3月27日午前8時半すぎに発生。県警が業務上過失致死傷容疑で捜査している。