厚生労働省の 国立社会保障・ 人口問題研究所は30日、 地域別の 将来人口推計をまとめた。 2015年に370万人だった静岡県の 人口は45年には約2割減少して294万人になる見通し。 45年にはどの 市町も減少す
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は30日、地域別の将来人口推計をまとめた。2015年に370万人だった静岡県の人口は45年には約2割減少して294万人になる見通し。45年にはどの市町も減少するが、長泉町、袋井市、藤枝市では減少率が1割未満にとどまる。2政令市では静岡市が20%落ち込むのに対し、浜松は12%減。各市町間の開きが浮き彫りとなっている。 長泉町が昨年4月に開設した子育て支援センターと児童館の機能を持つ「パルながいずみ」 推計によると、静岡県の45年の人口のうち、労働力の核となる15~64歳の割合は50%と15年より9ポイント低下。逆に65歳以上は39%と11ポイント高まり、75歳以上も23%に達する。 15年比で最も人口が落ち込むのが西伊豆町(65%減)で、東伊豆町(58%減)が続く。下田市や伊豆市も5割超減少し、伊豆地域での落ち込みが目立った。 長泉町は35年まで増加を続け、40年以降は減少に転じるが減少幅は3%にとどまる。町では子供の医療費無償化など子育て支援策を他の市町より先行して進めてきた。近年は大卒後Uターンして5年間定住すれば奨励金を交付する制度や、高齢者向け相談センターの拡充などを図っている。 藤枝市は25年時点の人口推計が前回調査から9000人増えた。45年段階でも減少は1割未満。市は子育て支援策のほか、藤枝駅前の再開発を推進。マンションの竣工などで駅周辺の商業施設整備と住宅供給が並行して進み、定住人口を増やす好循環になっている。 静岡、浜松の両政令市では明暗が分かれた。浜松市は45年に70万人となり、12%減にとどまった。市はものづくり産業や農林水産業の販路開拓支援を通し、地元産業力の強化を若年層や子育て世代の生活基盤につなげる施策を続ける。18年度からは産後すぐの母子の健康診断や問診の費用補助などに取り組む。 一方静岡市は56万人。新幹線通学補助などの対策を打ち出しているが、若年層の流出に歯止めがかかっていない。市としては他の市町との人口の奪い合いになりかねない子育て支援策の拡大には慎重で、焼津、藤枝など中部圏5市2町の連携を通じたにぎわいづくりに重点を置く考えだ。