トランプ次期米大統領=2016年10月、ペンシルベニア州(AFP=時事)
【ニューヨーク時事】トランプ次期米大統領は11日、昨年11月の大統領選後初めての記者会見をニューヨークで開いた。トランプ氏は会見で、大統領選を狙ったサイバー攻撃について、「ハッキングはロシアだったと思う」と述べ、ロシアの仕業と明言した。経済政策については過去最大の雇用を創出すると明言した。 これまで、ロシアの介入に懐疑的な見方も示していたトランプ氏は「(米国はロシア以外の)他国からもハッキングされている」とも語り、可能性として中国を挙げた。一方、米メディアが10日、ロシアはトランプ氏に不利な情報を保持していると報じたことには「ばかげている」と抗議した。 重点を置く雇用創出については、「多くの産業が(米国に)戻ってくる」と、自動車会社フォードが工場移転計画を見直したことなどをアピール。「過去最大の雇用を創出する(大統領になる)」と述べた。国際的な不動産開発会社を経営してきたトランプ氏は会見で、事業が大統領としての職務遂行に支障を来さないようにするため、息子らに事業を譲る方針を説明した。 トランプ氏は大統領選勝利後、選挙戦中のような集会を各地で開いたが、記者の質問にはほとんど答えていない。他方、ツイッターでは熱心に主張を展開。今月に入って、トヨタ自動車のメキシコ工場新設計画を突然批判したり、自分の差別的言動を非難した女優メリル・ストリープさんをけなしたりしていた。 国民が関心を持つ政策や自身の意見を丁寧に説明するのは米大統領の重要な役目で、会見に消極的なトランプ氏には批判が出ていた。オバマ大統領が2008年11月に初当選した際は、投票日から3日後には記者会見し、外交政策などについて詳しく語った。(2017/01/12-02:29)