大相撲春場所千秋楽は26日、 新横綱の 稀勢の 里関(30)=本名萩原寛、 茨城県出身、 田子ノ浦部屋=が劇的な逆転優勝を果たし、 会場の エディオンアリーナ大阪は感動に包まれた。 〔写真特集〕稀勢の 里 左肩から胸にかけて痛々しいテーピングを施して土俵に現れた稀勢の 里関に
大相撲春場所千秋楽は26日、新横綱の稀勢の里関(30)=本名萩原寛、茨城県出身、田子ノ浦部屋=が劇的な逆転優勝を果たし、会場のエディオンアリーナ大阪は感動に包まれた。
〔写真特集〕稀勢の里
左肩から胸にかけて痛々しいテーピングを施して土俵に現れた稀勢の里関に、観客は「頑張れ! 優勝だ!」と大声援。大関照ノ富士関に本割と優勝決定戦で連勝して優勝を決めると、総立ちになって拍手を送り、座布団が宙を舞った。 優勝インタビューで稀勢の里関は、「支えてくれた人のおかげ。すいません。男が泣いたら…」と言葉に詰まり、涙を流した。升席で観戦していた父の貞彦さん(71)は「横綱でなかったら休場していたかもしれない。気力で勝った。それ以外にない」と息子の責任感に感心。母の裕美子さん(62)は「あんな痛がる姿は初めて見た。出るからには自分の意志を貫いてほしかった」。気力を振り絞っての土俵での姿をほめた。
2001年夏場所でも横綱貴乃花が右膝の大けがを押して出場し、武蔵丸との優勝決定戦を制する大逆転があった。貴乃花に憧れた稀勢の里関が起こした奇跡を目の当たりにした堺市の会社員、高橋善治さん(55)は「日本人横綱に輝きが戻ったようだ。本当にすごいね。よく頑張った」と興奮冷めやらぬ様子だった。 大阪市の会社員、水野大志さん(31)は、「けがをしても休まず、横綱の力を見せた。人として尊敬する」。兵庫県西宮市の女子大学生(21)は、「体だけでなく、心も強いと感じた。本当に感激した」と涙ながらに話した。 (2017/03/26-22:37)