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那須雪崩:規模や発見状況など確認 栃木県警が現場検証

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栃木県警は30日、 県立大田原高山岳部の 生徒ら8人が死亡した雪崩事故の 現場となった那須町の スキー場付近で業務上過失致死容疑で現場検証を行った。 雪崩の 規模や被害者の 発見状況などの 把握が主な目的。 講習会を主催した県高校体育連盟の 登山専門部関係者らへの 事情聴取も始めており、 雪崩に対する危険性の 認識や安全管理体制、 事故直後の 対応などに問題がなかったか調べを進める。
栃木県警は30日、県立大田原高山岳部の生徒ら8人が死亡した雪崩事故の現場となった那須町のスキー場付近で業務上過失致死容疑で現場検証を行った。雪崩の規模や被害者の発見状況などの把握が主な目的。講習会を主催した県高校体育連盟の登山専門部関係者らへの事情聴取も始めており、雪崩に対する危険性の認識や安全管理体制、事故直後の対応などに問題がなかったか調べを進める。
県警捜査1課など捜査員10人と事故当時に救助にあたった消防隊員4人、現地の事情に詳しい那須山岳救助隊員1人の15人態勢で午前7時17分から現場検証を開始。気温の上昇が予想されたため、雪崩の危険性を考慮して早朝に着手した。生徒が雪崩に巻き込まれた尾根筋付近まで登り、救助から発見までの経緯を確認。同10時33分にこの日の検証を終えた。
捜査は、雪崩の予見可能性が最大の焦点となる。
事故発生の27日、県高体連登山専門部は雪崩の危険性を認識し、予定していた登山を中止して雪をかきわけて歩くラッセルの訓練に変更。同専門部の現場責任者の猪瀬修一委員長(50)は「絶対安全だと判断した。(講習会の)前日にテレビなどで雪崩の危険性は認知していたが、(訓練を行う)尾根筋は安全だと認識していた」とし、当時の判断に問題ないとの立場だ。これに対し、現場一帯には雪崩注意報が出ており、救助活動の指揮を執った那須山岳救助隊の大高登隊長は「あんな尾根の方まで人が入っていくなんて聞いたことがない」と指摘する。
また那須町によると、同スキー場第2ゲレンデの一部を2月25日~今月1日に封鎖。今回の現場とは異なる場所で雪崩が起きる可能性があったためだったが、猪瀬委員長は、この一時封鎖を知らないまま講習会の実施を決めている。
那須山岳救助隊によると、当時は雪が降り、凍った雪の上に新雪が積もることによる「表層雪崩」が起きやすい状態だった。現場の上方は雪が崩落しやすい地形との指摘もあり、県警は、県高体連側の情報収集体制についても調べる。【野田樹、田中友梨、野口麗子】

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