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前橋市:代行車の客待ち禁止 全国初の条例、制定目指す

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早ければ6月の 市議会に条例案を提出、 10月にも施行か 前橋市が、 夜の 中心街で、 客引き行為や代行車の 路上での 客待ちを禁止する条例の 制定を目指している。 市によると、 県内の 市町村では初めてで、 代行車の 客待ちを禁止する条例は全国初。 パブリックコメント(5月2日まで)を経て、 早ければ6月の 市議会に条例案を提出し、 成立すれば10月にも施行される見通し。 客引きや客待ちの 代行車が消えるの か?。 【山本有紀】
前橋市が、夜の中心街で、客引き行為や代行車の路上での客待ちを禁止する条例の制定を目指している。市によると、県内の市町村では初めてで、代行車の客待ちを禁止する条例は全国初。パブリックコメント(5月2日まで)を経て、早ければ6月の市議会に条例案を提出し、成立すれば10月にも施行される見通し。客引きや客待ちの代行車が消えるのか?。【山本有紀】
「たばこのポイ捨て、客引き、路上における違法駐車は『街なか3悪』だ」「一部のマナー違反の人たちの悪意によって、まちが汚されている」--。
昨年12月の市議会本会議。条例の狙いを聞かれた前橋市の山本龍市長は、答弁の中で条例制定への強い意志を示した。
市の条例案は、午後8時~翌午前6時の間、禁止区域内の代行車の路上での客待ちを禁止する。
対象エリアは、千代田町4、5丁目など飲食店や風俗店が軒を並べる中心街。違反した場合は、市が立ち入り調査し、指導や勧告をする。それでも是正されなければ過料を科し、名前などを公表する。
市の毎月1回の実態調査では、金曜日の午後9時からの約30分間で確認された路上での客待ちは平均約20台。「群馬は車社会で運転代行は必要な産業」。市危機管理室の担当者はこう前置きした上で、「でも、駐車禁止のところに止まっているのは良くない。市民から苦情もきている」と条例の意図を説明する。代行業者には待機するための駐車場を確保してもらう方針だ。
しかし、代行運転手の60代女性は「路上で待機することで、通りかかった客が利用してくれるケースもある。それがなくなるのは困る」と顔をしかめる。

客引き行為の禁止区域も同じ。市の毎月1回の実態調査では、金曜日の午後9時から約30分間で確認された客引きは毎回、平均約50人に上る。
客引きについて、警察は、県迷惑防止条例や風営法で取り締まることができるが、なぜ市の条例が必要なのか。
それは、県条例や風営法では限界があるためだ。県条例は、服をつかむなどの「しつこい勧誘」が対象。風営法の対象もキャバクラなど風営法の届け出が必要な業種に限られる。「しつこくつきまとう客引きもいるが、多くは衣服を引っ張ったりせずに『ちょっとどうですか?』と誘うぐらい」(市危機管理室)のため手が出せないのだ。
県警の客引きの検挙者は、2012年1人▽13年2人▽14年2人▽15年1人▽16年2人▽17年(3月末現在)0人--と少ない。

市危機管理室は「遅くとも、今年の忘年会シーズンには中心市街地に客引きがいないようにしたい。条例の制定によって女性だけで行ける店も増え、夕方から夜にかけてのにぎわいが取り戻せるのではないか」と話す。
前橋中心商店街協同組合によると、組合に加盟する小売店では、客から「夜、この辺りを通るのが怖い」「客引きが迷惑だ」という声が寄せられており、条例に期待を寄せている。
自動車運転代行業を巡っては、2015年度から事務権限が国から都道府県に移譲されたこともあり、群馬県も監視を強化する。
代行業を営むには、営業所の所在地を管轄する県公安委員会の認定を受けなければいけない。法令では両扉に認定番号や業者名を記載するよう定められているが、無記載の車両やマグネットシートを貼っている代行車もいる。県交通政策課は「(無記載だと)認可されているか分からない。無認可の代行車だと保険に入っていない可能性もある」と危険性を指摘する。
県は14日夜、県警などと共同で初めて前橋市の中心街で街頭調査を実施した。記者も同行した。
午後8時。千代田町5にある市立美術館「アーツ前橋」近くの路上に3台の代行車が縦列停車していた。ドアに認定番号は記載されているが、調査員が声をかける。「街中に止めちゃだめなんで移動してもらってもいいですか」。車はすぐに走り去った。
調査開始から20分後--。いつもは黒いスーツ姿の客引きが集うネオン街は閑散としていた。ふだんは裏路地に並ぶ代行車も1台も止まっていない。「彼らは情報を共有しているんですよ。さっき、代行車の運転手が無線で何かしゃべっていたでしょ」。警察官はため息をついて言った。「いたちごっこですよ」
再びアーツ前橋の前に戻ると、数台の代行車が止まっていた。車体番号の記載はあるが、シルバーの車体に白い字。見えにくい。法令では字の色の決まりはないが、調査員ははっきり見えるように記載することを促して調査を終えた。
この夜、調査員が声を掛けたのは19台。このうち無記載やマグネットシート利用は3台。いずれも認可を受けている業者だった。県交通政策課の松岡利一課長は「代行車の利用者にも、安全のために代行業に関する法令を周知していきたい。認定業者についても業務用保険の契約が失効していないかどうかもチェックしていく」と話す。認定業者は県や県警のホームページでも公表されている。【山本有紀】

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