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「偉大な欧州人を失った」 独仏首脳らコール元首相悼む

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ドイツ統一の 父、 欧州統合の 機関車と呼ばれたドイツの ヘルムート・ コール元首相が16日、 87歳で死去した。 第2次世界大戦の 災禍を繰り返さないために欧州連合(EU)の 創設にまい進し、 冷
【ベルリン=石川潤】ドイツ統一の父、欧州統合の機関車と呼ばれたドイツのヘルムート・コール元首相が16日、87歳で死去した。第2次世界大戦の災禍を繰り返さないために欧州連合(EU)の創設にまい進し、冷戦終結にも貢献したコール氏。欧州の指導者らはこぞってその死を悼んだが、欧州統合の歯車は必ずしも同氏の思惑通りには動いていない。 死去したドイツのコール元首相=AP 「ヘルムート・コールは私の人生を決定的に変えた。ほかの多くの人がそうであるように、旧東ドイツの独裁を離れ、自由な人生を送れるようになった」 東ドイツ出身で初めて首相となったメルケル首相は16日、コール氏の訃報を受けてこんな談話を寄せた。メルケル氏は同氏の下で政治経験を積み、「コール氏の娘」とまで呼ばれたまな弟子。コール氏の存在が「私たちドイツにとって幸運」だったと言い切った。 コール氏は「強すぎるドイツ」を警戒する欧州諸国や当時のソビエトなどを説得し、1990年の東西ドイツ統一を実現した。統合後に旧東ドイツ経済が疲弊し、国民の支持を失ったが、統一という成果自体を否定する声は少ない。 「東西ドイツ統一と独仏友好の立役者だった。私たちは偉大なヨーロッパ人を失った」 フランスのマクロン大統領は16日、ツイッターでの追悼文に一枚の写真を添えた。1984年、当時のコール西ドイツ首相とミッテラン仏大統領が第1次大戦の激戦地、仏ヴェルダンで手をつなぎあった写真だ。 今年5月の大統領就任直後にベルリンに飛び、メルケル氏と握手を交わしたマクロン氏。立場の違いを踏まえつつも、手を携えようとする姿勢は当時にもつながる。欧州全体に遠心力が働くなか、独仏はEU設立の原点に立ち戻ろうとしているようにもみえる。 「ヘルムート・コールなしに欧州統一通貨ユーロはなかった」 ユンケル欧州委員長はコール氏の功績として、ユーロを挙げた。コール氏は最初から、統一通貨の政治的、経済的な大きな意味合いを見抜いていたというのがユンケル氏の見立てだ。 英国のEU離脱決定やギリシャの債務危機、欧州中央銀行(ECB)の金融政策を巡って副作用ばかりが取り沙汰されるが、ユーロが欧州の成長に貢献してきたことも事実。ブリュッセルの欧州本部は半旗を掲げ、コール氏を追悼した。

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