(10日、 日本学生個人選手権) 男子100メートル準決勝。 9秒94の 表示に観衆は叫び、 快記録の 主も叫んだ。 関西学院大法学部3年、 多田修平。 追い風4・ 5メートルの 参考記録だが、 日本の レースで初めて電気…
(10日、日本学生個人選手権)
男子100メートル準決勝。9秒94の表示に観衆は叫び、快記録の主も叫んだ。
関西学院大法学部3年、多田修平。追い風4・5メートルの参考記録だが、日本のレースで初めて電気計時で10秒を切った。「間違いちゃうか、って。いつもと走ってる感覚が違いました」。いつもの早口が、さらに早い。決勝は自己記録を0秒14も縮める10秒08。朝原宣治さんの関西学生記録10秒19を24年ぶりに更新するどころか、世界選手権の参加標準記録までクリアした。
根っからの関西人だ。大阪桐蔭高時代の自己記録は10秒50で関東の大学からも誘われたが、「関西で強くなる」と関学大へ。今年2月の米国遠征で、アサファ・パウエル(ジャマイカ)と練習。教わったスタートをアレンジし、鋭い飛び出しを身につけると、4月から自己新を積み重ねた。
24日の日本選手権決勝で3位以内なら世界選手権へ。桐生、山県、ケンブリッジという「3強」の一角を崩すことが必要だが、多田は言いきった。「いまは自信あります」。大勝負の日、彼は21歳になる。(篠原大輔)