東京都の 豊洲市場(江東区)の 土壌汚染対策を検討する外部有識者の 専門家会議は11日、 追加の 安全対策をまとめた。 有害物質が盛り土の ない地下空間を通じて地上部に入り込むの を防ぐため地下空間の 床を補強し、 地下水管理システムを増強する。 都の 市場問題プロジェクトチーム(PT)も既に報告書をまとめており、 都議選(23日告示、 7月2日投開票)前に小池百合子知事が移転の 可否を判断するかどうかが焦点となる。
東京都の豊洲市場(江東区)の土壌汚染対策を検討する外部有識者の専門家会議は11日、追加の安全対策をまとめた。有害物質が盛り土のない地下空間を通じて地上部に入り込むのを防ぐため地下空間の床を補強し、地下水管理システムを増強する。都の市場問題プロジェクトチーム(PT)も既に報告書をまとめており、都議選(23日告示、7月2日投開票)前に小池百合子知事が移転の可否を判断するかどうかが焦点となる。
会議は土壌汚染対策の盛り土がない地下空間のリスク管理として、地上1階に気化した水銀やベンゼンなどの有害物質が上昇しないよう特殊な遮蔽(しゃへい)シートかコンクリートで覆い換気を組み合わせる2案を示した。このほか、地下水をくみ上げて浄化する地下水管理システムの揚水機能強化も提案した。
都の試算では、土壌汚染対策の工期は8カ月~1年10カ月、維持管理費を含む総費用は40億~95億円で、地下水浄化対策の工期は1年程度、工事費20億~25億円、維持管理には毎年約3億円かかるとした。
専門家会議はいずれの対策も「妥当」と結論づけ、今後、都の中央卸売市場長に今回の提言をまとめた報告書を提出する。
市場の採算性などを検証してきたPTも、築地再整備と豊洲移転の両案を併記した報告書をまとめており、13日に知事に提出する。小池知事はこれらを庁内の検討組織「市場のあり方戦略本部」で集約し、総合的な判断につなげる方針。
小池知事は11日、都内で報道陣の取材に応じ、「報告がしっかりできたということは良かった。最終的な報告はまだ受けていないが、内容については(週明けにも)しっかりと伺い、その上でこれからどうやっていくのかを判断したい」と述べ、判断時期について明言は避けた。【森健太郎、芳賀竜也】