国連安全保障理事会は5日、 北朝鮮の 大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて緊急会合を開いた。 米国は軍事行動も含む対策を備えている姿勢を強調し、 数日内に制裁強化を盛り込んだ
【ニューヨーク=高橋里奈】国連安全保障理事会は5日、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を受けて緊急会合を開いた。米国は軍事行動も含む対策を備えている姿勢を強調し、数日内に制裁強化を盛り込んだ決議案を提示すると表明した。ただロシアや中国は対話重視の姿勢をとっており、制裁強化に向けた協議は難航する可能性がある。 5日、米国のニッキー・ヘイリー国連大使は北朝鮮に対する制裁強化を訴えた(ニューヨークの国連本部)=国連提供 朝鮮中央テレビが放映したICBM「火星14」発射実験の写真(4日)=共同 12日、共同記者会見で質問に耳を傾けるティラーソン米国務長官(モスクワ)=AP トランプ米大統領=AP 朝鮮中央テレビが4日放映した、ミサイルの発射実験に立ち会った金委員長の写真=共同 日米韓が合同で開催を要請した緊急会合は、米国の求めで異例の公開会議となった。米国を射程に収めるICBMを北朝鮮が発射したことで、米国のヘイリー国連大使は「明白で強烈な軍事の段階的拡大だ」と非難。「政治的解決の可能性は急速になくなりつつある」とし、「必要なら米国は軍事力を行使するだろう」と指摘した。 「北朝鮮の行動を脅威とみるならば、制裁を強化しなければならない」とも強調。具体的な内容については言及しないとしながらも「兵器開発計画への石油供給や航空・海上輸送の制限、政権幹部に責任を取らせることができる」と述べた。北朝鮮と貿易を続ける国との取引を見直す考えも示した。 日本の川村泰久次席大使も「圧力を強化するほかに選択肢はない」と追加制裁を求めた。英仏なども北朝鮮を「最も強い言葉で非難する」とし、制裁強化に賛同した。 これに対し、ロシアのサフロンコフ次席大使は「制裁は問題を解決しない」と制裁強化に異議を唱えた。7月の議長国でもある中国の劉結一大使は「対話が重要だ」とする慎重姿勢を貫いた。北朝鮮問題を巡る日米と中ロの温度差が改めて浮き彫りとなった。