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避難者「何もない。跡形もない」 九州豪雨、救助進む

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記録的な豪雨に見舞われた福岡県朝倉市では、 6日早朝から救助活動が本格化した。 流されてつぶれた住宅、 横倒しの 軽トラック、 道路を覆う土砂、 川の ように流れる水……。 朝倉市杷木(はき)の 星丸地区からは、 人…
記録的な豪雨に見舞われた福岡県朝倉市では、6日早朝から救助活動が本格化した。 流されてつぶれた住宅、横倒しの軽トラック、道路を覆う土砂、川のように流れる水……。朝倉市杷木(はき)の星丸地区からは、人工透析を受けている患者や、家ごと流されて全身打撲を負ったけが人が孤立しているとの情報が相次いでいた。陸上自衛隊員らは住宅倒壊現場の土砂を乗り越えながら、避難住民を背負ったり、手を引いたりして助け出した。 90代の三木アイコさんは裸足のまま、自衛隊員に背負われて避難。道路は茶色い水の流れになっていた。「来ていただいて、ありがたい。今回のような雨は初めて」と話した。共に一夜を過ごした息子の弘司さん(63)は「こげんなったらどげんもならん(こうなるとどうしようもない)」。 周辺では、山からの土砂が屋根の上まで覆った住宅があり、根こそぎ流されてきた大木がいくつも倒れている。道路だった場所は泥水があふれており、わずかに見えるガードレールの上部でわかる程度だ。1階部分が流され、残った2階部分だけが傾いている家もあった。 避難先から自宅の様子を見に来た伊藤光弘さん(79)は「何もない。跡形もない」とあきらめ顔。赤谷川がすぐそばにあり、5日午後2時ごろから雨が激しくなると「濁流が山んごと(山のように)迫ってきた」といい、着の身着のまま避難した。「こればかりは上(自然)と下(人間)のことだから……。がんばらないと」とつぶやいた。 一方、児童ら約50人の住民が避難し、孤立していた松末(ますえ)小学校。約1キロ手前で道路が陥没するなどし自衛隊員らが足止めされていたが、午前10時ごろに現地にたどり着き、救助を始めた。近くの道路は数カ所が大きくえぐられ、ひざ下まで水につかった場所もあった。消防隊員が渡したロープにつかまり、児童や教職員らが救助のバスが待つ場所まで20分ほどかけて歩いた。 運動場には土砂が一面に広がり、タイヤ部分が埋まった車も数台あった。小学校の向かい側の斜面は横幅数十メートルにわたって崩れ、山肌が見えた。担架で救助される高齢者もいた。高齢の女性は「ひどい雨で、こんなの初めて。今夜どこに泊まるんやろうかね」と話した。(岡田将平)

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