【8月17日 AFP】 ドナルド・ トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、 バージニア(Virginia)州で発生した白人至上主義者らと反対派との 衝突事件について「双方に非がある」 などとした自身の 衝撃的な発言をめぐり、 政界で巻き起こった批判の 嵐にさらされた。
【8月17日 AFP】ドナルド・トランプ( Donald Trump )米大統領は16日、バージニア( Virginia )州で発生した白人至上主義者らと反対派との衝突事件について「双方に非がある」などとした自身の衝撃的な発言をめぐり、政界で巻き起こった批判の嵐にさらされた。この発言は与党共和党内でも不快感を集めており、既に混迷しているトランプ政権が転機を迎える可能性も出てきた。 ともに共和党の元大統領であるジョージ・H・W・ブッシュ( George H. W. Bush )とジョージ・W・ブッシュ( George W. Bush )親子はトランプ氏の発言を受け、国民に向け「あらゆる形の人種的偏見を拒む」よう呼び掛ける声明を発表した。現政権の問題に関して両氏がコメントするのは異例。 ブッシュ親子はトランプ氏の名指しは避けつつも、独立宣言を記したトーマス・ジェファーソン( Thomas Jefferson )大統領の言葉を引用し、すべての人間は「平等につくられた」ことを思い出すよう訴え、トランプ氏を暗に批判した。 バージニア州シャーロッツビル( Charlottesville )で12日に起きた事件では、南北戦争( Civil War )で南部連合( Confederate )を指揮したロバート・E・ リー( Robert E. Lee )将軍の像の撤去をめぐり集会を開いた白人至上主義者らが、対抗デモを開いた人々と衝突。人種差別反対を訴えるデモ隊にナチス・ドイツ( Nazi )同調者とされる男(20)の車が突っ込み、女性1人が死亡、19人が負傷した。 ニューヨーク( New York )のトランプタワー( Trump Tower )で15日に記者会見したトランプ氏は、事件に対する自身の姿勢をめぐる批判に激しく反論し、事件については「双方に非がある」と発言した。 白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン( KKK )」の元最高幹部デービッド・デューク( David Duke )氏は即座に、トランプ氏の「勇気」を称賛。一方で、共和・民主両党の議員の多くは言葉を失った。 就任から200日を迎えたばかりのトランプ氏はこの発言により、越えてはならない一線を越えてしまったようだ。 共和党全国委員会( Republican National Committee )のロンナ・ロムニー・マクダニエル( Ronna Romney McDaniel )委員長は米ABCニュース( ABC News )に対し、「シャーロッツビルで非があったのはKKKと白人至上主義者の方であることは明らかだ」と述べた。 トランプ氏に対して常に批判的な共和党のリンゼー・グラム( Lindsey Graham )上院議員は、共和党員の多くが「(エーブラハム・)リンカーン( Abraham Lincoln )大統領も所属していた党(共和党)が世界中のデービッド・デュークのような人々を歓迎するという考えには反対する」と述べている。 昨年トランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったオハイオ( Ohio )州のジョン・ケーシック( John Kasich )知事は米 NBC テレビの番組「トゥデイ・ショー( Today Show )」に出演し、「彼(トランプ氏)はこの問題を修復し、共和党員は声を上げなければならない。単純明白なことだ」と述べた。 (c) AFP/Jerome CARTILLIER