ロシアの プーチン大統領は6日、 極東ウラジオストクで韓国の 文在寅(ムン・ ジェイン)大統領と会談した。 その 後の 共同記者会見で、 北朝鮮の 核・ ミサイル開発に関し「問題を(北朝鮮へ
【ウラジオストク=田中孝幸】ロシアのプーチン大統領は6日、極東ウラジオストクで韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談した。その後の共同記者会見で、北朝鮮の核・ミサイル開発に関し「問題を(北朝鮮への)制裁と圧力だけで解決するのは不可能だ」と明言。「感情にまかせて北朝鮮を追い詰めてはいけない」とも述べ、日本や米国、韓国が国連安全保障理事会で目指す石油禁輸などの厳しい追加制裁に慎重な姿勢を示した。 6日、ウラジオストクでの会談を前に握手するロシアのプーチン大統領(右)と韓国の文在寅大統領=聯合・共同 北朝鮮に対する軍事行動も選択肢として排除しない米トランプ政権に対しては「(対立の)激化につながる行動は控えるべきだ」と強くけん制した。米韓軍事演習の縮小・停止と北朝鮮の核・ミサイル開発の停止を柱とする中ロの収拾案を軸に、外交による解決を急ぐよう求めた。 一方、北朝鮮の最近の核実験やミサイル発射は「深刻な国連決議違反」と非難。同国の核保有を認めない従来の立場を繰り返した。文氏は朝鮮半島の非核化を目指すロシアの姿勢を評価。核問題の解決に向けて同国との連携を強める意向を示した。 韓国側の発表によると、会談でプーチン氏は石油禁輸に関し「病院などに被害を与えることを憂慮している」と語ったという。文氏は「過去に中国が原油の供給を中断した際には、北朝鮮が当初応じなかった(核問題を巡る)6カ国協議に参加した」と述べ、石油禁輸による制裁に理解を求めた。 北朝鮮が3日に実施した6回目の核実験を受け、米国はすでに石油輸出の制限を盛り込んだ制裁決議案をロシアなど国連安保理の一部メンバーに提示した。常任理事国として拒否権を持つプーチン氏の今回の発言には関係国に一層の外交努力を促し、米国による軍事行動の可能性を封じる狙いがあるとみられる。 プーチン氏は7日にはウラジオストクで安倍晋三首相と会談する予定。北方領土問題と並ぶ主要議題となる北朝鮮問題を巡り、制裁決議案の採択に向けた歩み寄りがあるか注目される。