【ソウル=名村隆寛】 朝鮮半島の 南北軍事境界線がある板門店で韓国側へ越境しようとした北朝鮮兵士が銃撃を受け、 重傷を負った事件で、 在韓国連軍司令部は22日、 追いかけ…
【ソウル=名村隆寛】朝鮮半島の南北軍事境界線がある板門店で韓国側へ越境しようとした北朝鮮兵士が銃撃を受け、重傷を負った事件で、在韓国連軍司令部は22日、追いかけてきた北朝鮮側兵士が境界線を越える映像を公開。北朝鮮側に朝鮮戦争休戦協定違反があったとの調査結果を発表した。 13日に撮影された当時の映像と韓国軍幹部などの説明によると、越境した兵士は軍用車両(小型四輪駆動車)に乗り、高速で走行し、板門店の共同警備区域(JSA)に接近した。車は南側に突進したが、タイヤが側溝にはまり脱輪。車を降りた兵士は走って軍事境界線を越えた。 ほぼ同じころ、境界線の北側にある「板門閣」の付近などから異変に気付いた北朝鮮兵士数人が走って現場に向かい、兵士を追いかけ、銃撃を加えた。さらに映像には、軍事境界線を越えた後、急いで北側に引き返す兵士らの様子も記録されている。映像の時間表示によると、この間の時間は約7分だった。 銃撃を受けた兵士は韓国側に越境し倒れ、韓国軍の幹部2人がほふく前進して救助した。救助直前に兵士の足はわずかに動いていた。北朝鮮側が発砲した銃弾は軍事境界線を越え、韓国側に到達しており、在韓国連軍司令部はこれについても、休戦協定違反と主張している。