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日中「蜜月時代」の中曽根氏・胡耀邦氏会談 外交文書公開

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1986年、 当時の 中曽根総理大臣が中国の 胡耀邦総書記と会談した際、 胡総書記が世代交代を図るために人事を大幅に刷新する考えを明かすなど、 「蜜月…
1986年、当時の中曽根総理大臣が中国の胡耀邦総書記と会談した際、胡総書記が世代交代を図るために人事を大幅に刷新する考えを明かすなど、「蜜月時代」と言われた当時の日中関係を示すように、首脳間で率直なやり取りが行われていたことが明らかになりました。専門家は、胡総書記のこうした日本との親密さがその後の失脚を招く一因になったと指摘しています。 外務省は、1986年11月に当時の中曽根総理大臣が2度目となる中国訪問で胡耀邦総書記らと会談した際の記録などが記された外交文書を20日に公開しました。 それによりますと、胡総書記は中曽根総理大臣との会談で、翌年に控えた中国共産党大会での人事について、「解決すべき問題は新旧交代だ。その幅は想像できないかもしれないが、大幅な調整を行う予定だ。中壮年幹部を登用し、年寄りを引退させる」と述べ、世代交代を図るため人事を大幅に刷新する考えを明かしています。 ただ、中国側からは、この発言について公表しないよう強く念押しされています。 また、会談で、胡総書記は、朝鮮半島の統一を目指して、韓国、北朝鮮、アメリカの3か国による会談を関係国に提案したことを説明したうえで、「北朝鮮は怒って大変だ。北朝鮮の自主外交の揺るぎなさはご存じないかもしれないが、われわれはよく知っている」と述べたほか、日中間の定期航空便による朝鮮半島の上空の飛行に関連して、「問題は北朝鮮がやろうとしないところにある」と述べるなど、北朝鮮への対応に苦慮していた様子がうかがえます。 一方、中曽根総理大臣は、前の年の8月15日に総理大臣として初めて靖国神社を公式参拝し、中国や韓国などから反発が相次いだことから、その後、参拝を見送っていますが、会談で胡総書記が参拝について触れることはありませんでした。 当時の日中関係は「蜜月時代」と言われるほど良好で、胡総書記は会談の翌年、保守派から中国の民主化運動に理解を示したと批判され、失脚します。 日本の政治外交史が専門で、北海学園大学の若月秀和教授は「会談録には、胡耀邦総書記が日中関係をいいところにもっていこうという気持ちがにじみ出ていて、中曽根総理大臣も一生懸命、その気持ちに応えようというのが見える。逆にそれが、胡総書記を失脚させる一つの口実として使われたと見ていいのではないか」と述べています。

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