日本相撲協会の 理事会が30日、 都内の 両国国技館で行われ、 引退した横綱・ 日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題について、 当事者である伊勢ケ浜親方、 貴乃花親方も出席して話し合いが持たれた。 協会の 危機管理委…
日本相撲協会の理事会が30日、都内の両国国技館で行われ、引退した横綱・日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題について、当事者である伊勢ケ浜親方、貴乃花親方も出席して話し合いが持たれた。
協会の危機管理委員会による事件の中間報告が行われ、被害者である貴ノ岩の部屋の親方で協会理事、巡業部長でもある貴乃花親方を12月3日からの九州巡業に帯同させない方針も決定した。理由は、今回の暴力事件の調査対応に集中することと、メディアが巡業に殺到することによる混乱の防止。また、これまで貴ノ岩の聴取など、内部調査への協力を拒否していた貴乃花親方は、「警察の捜査が終了した段階で協力する」と、一転、協力姿勢を明らかにしたという。 週明けにも鳥取県警が日馬富士を書類送検する予定だが、その当局による処分が決定後に、貴乃花親方は、危機管理委員会による貴ノ岩への聴取に応じる構えだ。
また理事会には、横綱・白鵬が福岡から呼びだされ、千秋楽の優勝インタビューでの一連の発言や観客と万歳三唱を行ったこと、加えて審判に抗議行動を行ったことに「厳重注意」が与えられた。 横綱・日馬富士が貴ノ岩に暴力をふるった問題は、日馬富士の引退、そして貴乃花親方が頑なな協会との対決姿勢を崩したことで、一気に終結へ向かいそうだが、これで一件落着と考えていいのだろうか。
相撲ジャーナリスである荒井太郎氏は、その流れには否定的だ。 「日馬富士の引退はベストな選択だったと思いますが、問題はまだ残っていると思います。なぜ暴行に至ったのか、貴ノ岩が、あれだけの暴行を受けている間に、なぜ白鵬以下、誰も止めに入らなかったのか、まだ危機管理委員会の報告は中間報告ですが、最終報告では、うやむやにせずにすべてを詳細に明らかにすべきでしょう。場合によっては、その場にいた力士にも処分が及ぶかもしれません。今回の事件の実態の解明をしなければ、相撲界が負ったイメージの回復はできないでしょう」