8年目の 甲斐拓也捕手(25)が17日、 正捕手取りに向けて攻守でアピールに成功した。 今キャンプ初の 紅白戦で強烈な安打…
8年目の甲斐拓也捕手(25)が17日、正捕手取りに向けて攻守でアピールに成功した。今キャンプ初の紅白戦で強烈な安打をマークする一方、自慢の強肩で盗塁を阻止。昨季、高谷がメインで組んだバンデンハークとのバッテリーでも好リードを披露した。達川ヘッドから、平昌五輪のフィギュアスケート男子で2大会連続の金メダルを獲得した羽生結弦との共通点?まで挙げられた。正捕手へ、4回転ならぬ“フル回転”で突き進む。
■紅組でフル出場
最大の武器である強肩が紅白戦初戦から火を噴いた。4回1死一塁の守備。一走柳田がスタートを切ると、強烈かつ正確な送球で二盗を封じた。「まだまだじゃないですか。セーフになっているのもあったし、もっと上を目指していきたい」。正捕手獲得への上々の滑り出しにも満足感はない。
紅組の捕手としてフル出場。先発のバンデンハークとバッテリーを組んだ。昨季、バンデンハークの先発では高谷がスタメンマスクをメインで担当。その高谷が故障離脱した期間だけ甲斐が任されたが、首脳陣は“新コンビ”に期待している。
吉鶴バッテリーコーチは「(バンデンハークは)走者を気にして、対打者がおろそかになりがち。(走者を気にせず)安心して打者と対戦できる甲斐と組んで、(どう対応するか)試していきたい」と説明。クイックモーションに難のある長身右腕と強肩の甲斐を組ませることで、過剰になりがちな盗塁への意識を打者との対戦に向ける狙いがある。
甲斐も「信頼されるようになりたいし、組んでいくことが大事」と力を込めた。昨季は東浜、千賀の先発時は全戦スタメンマスクで出場。これにバンデンハークが加われば、真の正捕手の座も近づく。吉鶴コーチも「今のうちから組んでコミュニケーションを取っておけば、プラスになる」とうなずく。
課題のバットでも武田の直球をはじき返し、痛烈な中前打を放った。追ってくる九鬼、張本も安打を放ったが、達川ヘッドは「(若手との差は)当然ある!」と太鼓判。五輪連覇を果たした羽生にもなぞられたほどだ。羽生も銀メダルの宇野ら若手の猛追を一蹴。ずばぬけた存在になれというエールでもある。
甲斐は「普通じゃ駄目。課題も見つかったし、もっと正確なスローイングができるように」と自戒した。まずはキャンプで金メダル級の輝きを見せ、扇の要を揺るぎないものにする。 (小畑大悟)
=2018/02/18付 西日本スポーツ=