Start Japan Japan — in Japanese 羽生連覇 けが乗り越え伝説に

羽生連覇 けが乗り越え伝説に

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五輪連覇は果たされた。 この 4年間、 王者であり、 挑戦者でもあった羽生。 昨年11月の 右足首の けがを乗り越え、 最高の 結果をたぐり寄せた。 ソチ五輪で王者となっても現状に満足せず、 進化を求めた。 高難度の 技に挑戦し、 男子フィギュアスケート界を引っ張った。 いわば、 男子選手たちの 挑戦の 象徴だった。
五輪連覇は果たされた。この4年間、王者であり、挑戦者でもあった羽生。昨年11月の右足首のけがを乗り越え、最高の結果をたぐり寄せた。
ソチ五輪で王者となっても現状に満足せず、進化を求めた。高難度の技に挑戦し、男子フィギュアスケート界を引っ張った。いわば、男子選手たちの挑戦の象徴だった。
幼い頃、夢中になって見た五輪は2002年ソルトレークシティー五輪。アレクセイ・ヤグディン(ロシア)とエフゲニー・プルシェンコ(同)が4回転を複数回跳び、死闘を演じた大会だ。羽生にとって五輪は、その時に持っている技術を惜しみなくつぎこんで戦う場所になった。
ジャンプが、大好きだ。でも、スピンも得意。総合力で勝負できる選手であると自他ともに認める。小学生の頃に参加した長野・野辺山での日本スケート連盟の全国有望新人発掘合宿に選ばれた理由は、天性のリズム感。陸上でのリトミックに基づいたダンスレッスンで音楽に合わせて踊り、優れた感覚を見せたからだった。
その当時、ジャンプは転んでばかりだった。だが、それを見ていたスケート関係者は「基本の跳び方ができていたので、将来跳べるようになる予感はあった」と言う。羽生が小学2年の時から高校に上がるまで指導した都築章一郎コーチも「フィギュアスケートに必要なバランス的なものとか、感覚、フィギュアに必要な感性を小さい頃から持っていた」と言う。
最も好きな、前向きで踏み切るアクセルジャンプには、幼い頃、個人レッスンの1時間のうち45分間を費やしたという。それが跳べるようになると、4回転への挑戦を始めた。4年前のソチ五輪の頃に跳べていたのは4回転サルコウ、トーループ。それが16年にループ、17年にルッツも成功させた。ハーネス(ジャンプ練習の補助器具)をつけて4回転アクセル(4回転半)を練習したこともある。
「壁の先には壁がある」と考える羽生は、進んで限界に挑む。夢は成功者がいない4回転アクセル。何度も痛めた膝、足首、腰に不安はなくはないが、決して希望は捨てていない。
羽生が夢中になったソルトレークシティー五輪を制したヤグディンは、SP、フリーとも4回転を跳びながら完璧に演じ、伝説と称される。そして今、羽生自身が新たな伝説になった。【福田智沙】

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