Start Japan Japan — in Japanese 米欧25カ国に NATOも 英の戦略奏功

米欧25カ国に NATOも 英の戦略奏功

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英国で起きたロシア軍の 元情報部門幹部の 暗殺未遂事件を巡り、 英国の 要請に応じる形で、 同盟国の 米国や欧州連合(EU)加盟各国などが続々と露外交官の 国外追放に乗り出した。 追放を表明したの は英国を含め少なくとも25カ国で対象の 露外交官は計100人以上に上る。 さらに、 北大西洋条約機構(NATO)も27日、 ブ
英国で起きたロシア軍の元情報部門幹部の暗殺未遂事件を巡り、英国の要請に応じる形で、同盟国の米国や欧州連合(EU)加盟各国などが続々と露外交官の国外追放に乗り出した。追放を表明したのは英国を含め少なくとも25カ国で対象の露外交官は計100人以上に上る。さらに、北大西洋条約機構(NATO)も27日、ブリュッセルにあるNATO露代表部の外交官7人の追放を発表した。英露間の事件は米欧を巻き込んだ問題に発展。 EUは新たな制裁も視野に入れており、ロシアとの緊張が高まっている。
「ロシアの強硬姿勢は、新たな危険な局面に入った」。英国のメイ氏は26日、英下院で各国の露外交官追放の決定を歓迎するとともに、こう指摘した。プーチン大統領が再選で基盤を固めたことにも言及。米欧が対露方針を再検討して、厳しい姿勢で臨む必要性を強調した。
欧米各国が露外交官追放で歩調を合わせたことで、メイ氏の対露戦略は成功した形だ。メイ氏は今月12日、事件について「ロシアが関与した可能性が極めて高い」と述べ、「一連のロシアの強硬な行動パターンのひとつ」と位置づけた。2014年のロシアによるウクライナからのクリミア編入や米欧へのサイバー攻撃などと関連づけることで、米欧にロシア包囲網の強化を要請していた。
欧露関係はウクライナ危機から冷え込み、バルト諸国などロシアと国境を接する地域では軍事的な緊張も高まっていた。欧州で兵器級の神経剤が使用された襲撃事件は第二次大戦後初めてで、「欧州の安全保障と主権への挑戦」(マクロン仏大統領)との見方が広がる。また「ロシアはEU離脱の過程で孤立する英国の立場が弱くなっているとみている」(リトアニアのリンケビチュス外相)としてロシアによる政治的揺さぶりと捉える向きもあり、EUは英国との連帯を強調する必要もあった。
だが、制裁を巡る加盟国の対応には温度差が残る。23日のEU首脳会議では英国の見解を支持。独仏主導で駐露EU大使の召還を決めたが制裁まではまとめることができなかった。持ち回りでEU議長国を務めているブルガリアやギリシャなど対露経済関係を重視する国が慎重な姿勢を示したためとみられる。
EUのトゥスク欧州理事会常任議長(EU大統領)は26日、数週間以内でEUとして何らかの制裁をまとめる意思を示した。これとは別にEUは6月の首脳会議に向けて追加制裁を検討する構えだ。一部加盟国からは、ロシアで人権侵害に関与した人物の資産凍結や入国禁止を定める米「マグニツキー法」と同種の厳しい制裁を求める声も上がるが、実現へのハードルは高い。【ロンドン矢野純一、ブリュッセル八田浩輔】

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