近鉄南大阪線の 矢田(大阪市東住吉区)-河内天美(かわちあまみ)(大阪府松原市)駅間の 大和川にかかる「大和川橋梁(きょうりょう)」 上の 線路がゆがんだトラブルで、 近鉄は25日、 雨で川が増水し、 橋脚下の 川底が削られて傾いたことが原因とみられると発表した。 同日午前から大阪阿部野橋(大阪市阿倍野区)-河内天
近鉄南大阪線の矢田(大阪市東住吉区)-河内天美(かわちあまみ)(大阪府松原市)駅間の大和川にかかる「大和川橋梁(きょうりょう)」上の線路がゆがんだトラブルで、近鉄は25日、雨で川が増水し、橋脚下の川底が削られて傾いたことが原因とみられると発表した。同日午前から大阪阿部野橋(大阪市阿倍野区)-河内天美駅間の上下線で運転を見合わせているが、再開のめどは立っておらず、影響人員はこの日だけで約16万2000人に達する見通し。
近鉄によると、橋脚は9本あり、矢田駅側から4本目の橋脚上部が上流側に7.8センチ傾き、線路も上流側に最大で2.4センチずれていた。3本目が昨年10月の台風21号で川底が削られて約2センチ傾き、この2本の補強工事を実施している最中だった。
25日午前6時半ごろ、橋脚に設置した計測器が約8ミリの傾きを検知したと工事会社から近鉄に連絡があった。その後、工事会社から線路がゆがんでいるとの報告があり、同7時44分から橋梁上では徐行運転。乗り込んだ社員が通常より大きな揺れを感じたため同8時8分に運転見合わせを決め、JRや南海、大阪メトロによる振り替え輸送を実施した。
近鉄によると、大和川橋梁付近の水位は雨のない時と比べ約3メートル上昇していた。水位が下がるのを待って対応を検討する方針で、担当者は「水位が下がり、これ以上傾かないように措置をすれば、運転を再開できる」と説明している。
近鉄南大阪線の始発駅となる大阪阿部野橋駅は同日午前、足止めされた利用客らでごった返した。仕事を終えて松原市の自宅に帰る途中という女性(78)は「この後、病院に行く予定だったのに。タクシーで河内天美に向かう」とうなだれた。
府内では昨年10月の台風21号で、府南部の男里(おのさと)川にかかる南海本線の橋上の線路がゆがむトラブルが発生。現場を通過した普通電車が一時脱線するなどして、乗客5人がけがをした。【根本毅、柴山雄太】