Start Japan Japan — in Japanese 円安追い風、最高益 743社調査

円安追い風、最高益 743社調査

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東証1部上場企業の 2018年3月期決算発表が11日、 ピークを迎えた。 堅調な世界経済や年末までの 円安・ ドル高の 恩恵を受け、 自動車、 電機などの 業界がけん引。 SMBC日興証券の 集計では、 売上高、 本業の もうけを示す営業利益、 最終(当期)利益の 合計額はいずれも過去最高を更新する見通しだ。 19年3月期も増収増
東証1部上場企業の2018年3月期決算発表が11日、ピークを迎えた。堅調な世界経済や年末までの円安・ドル高の恩恵を受け、自動車、電機などの業界がけん引。 SMBC日興証券の集計では、売上高、本業のもうけを示す営業利益、最終(当期)利益の合計額はいずれも過去最高を更新する見通しだ。19年3月期も増収増益を見込む企業が多いが、円高に加え、北朝鮮情勢や米中貿易摩擦による不透明感も漂う。
10日までに決算発表した743社(全体の56.1%。営業利益非公表の金融業を除く)を集計した。売上高の合計は前年同期比8%増、営業利益は16.9%増、最終利益は26.1%増だった。円高・ドル安傾向になった第4四半期だけみると最終利益は前期比マイナスだったが、未発表の企業が事前の会社予想通りとなった場合、いずれも過去最高となる。
業種別で見ると、日立製作所やソニー、三菱電機が営業利益で過去最高を更新するなど電機企業の復調が目立った。トヨタ自動車も営業利益は16年3月期の水準に届かなかったものの、前期比20.3%増と好調だった。年間平均為替レートは1ドル=111円で、前期より3円円安が進んだことが利益を押し上げた。トヨタの場合、1円円安が進むと約400億円の為替差益が出る。 SMBC日興証券の伊藤桂一・チーフクオンツアナリストは「経営効率の改善が進んで日本企業の稼ぐ力が上がったところに円安効果があり、輸出企業を中心に業績を伸ばした」と分析する。
一方で、19年3月期は為替の恩恵は少なそうだ。日立は18年3月期は1ドル=111円の想定だったが、「貿易摩擦が世界経済悪化のリスクだ。どのようなリスクが起きて為替が変動するか分からない」(東原敏昭社長)として、19年3月期は同105円と保守的に見積もった。みずほ証券の集計によると、各企業が19年3月期に想定している為替レートは平均106円20銭で、前期より3円50銭円高に想定している。
原材料や原油の価格上昇も続いている。原油価格は米国のイラン核合意からの離脱などで高騰も懸念され、みずほ証券の三野博且シニアストラテジストは「原油価格は今も前期より高い水準で推移しており、コスト負担が増すことは間違いない」と指摘する。 JFEホールディングスは「今以上に上昇するならば更に値上げを検討する」(岡田伸一副社長)と価格転嫁の可能性を示唆。伊藤忠商事の岡藤正広会長兼最高経営責任者(CEO)は「トランプ米大統領の言動、政策で(世界経済は)大きく変わる。経営リスクは一にも二にもトランプさんだ」としており、企業は貿易摩擦や北朝鮮情勢などの突発的なリスクに神経をとがらせている。【古屋敷尚子、柳沢亮】

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