衆院は20日の 本会議で、 同日に会期末を迎えた今国会を7月22日まで32日間延長することを自民、 公明両党などの 賛成多数で議決した。 政府・ 与党は、 カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案の 審議時間を確保し、 確実に成立させたい考えだ。 最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案などの 成立も図る。
衆院は20日の本会議で、同日に会期末を迎えた今国会を7月22日まで32日間延長することを自民、公明両党などの賛成多数で議決した。政府・与党は、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案の審議時間を確保し、確実に成立させたい考えだ。最重要法案と位置付ける働き方改革関連法案などの成立も図る。
安倍晋三首相は当初、学校法人「森友学園」「加計学園」に関する問題で野党の追及が続くことを警戒。6月20日までの会期を延長する場合でも、欧州・中東を歴訪する7月中旬より前に閉じるよう求めた。
しかし、参院自民はIR実施法案の成立を確実にするには7月下旬までの延長が必要だと主張し、首相側が受け入れた。首相の柔軟な姿勢の背景には、9月の自民党総裁選を念頭に置いた配慮があったとみられている。参院自民を取り仕切る吉田博美参院幹事長は、総裁選への態度を決めていない竹下派に所属。首相官邸側は「総裁選を考えて参院を重視したい。参院が決めたことには乗る」(官邸関係者)と受け入れを決め、衆参の党幹部に調整を委ねた。
19日夕、自民党の二階俊博幹事長と吉田氏が国会内でひそかに会談。吉田氏は7月22日まで延長したい意向を伝えた。国会審議は金曜の20日には実質的に終わる見込みだ。だが、野党が内閣不信任決議案などを提出し、審議を遅らせる戦術を取った場合に備え、2日間の「予備日」を設け、22日の日曜閉会とする案だった。
一方で、衆院の複数の委員会が22日から海外視察を計画しており、大島理森衆院議長は二階氏に20日閉会を要請。二階氏はいったん判断を留保したが、野党が徹底抗戦した場合を考慮すべきだと参院自民側が強硬に主張したため19日夜に「7月22日までの32日間延長」を決断した。【高橋恵子、村尾哲】