文部科学省の 私立大学支援事業を巡る汚職事件で、 受託収賄容疑で逮捕された同省前科学技術・ 学術政策局長の 佐野太容疑者(58)=4日付で大臣官房付=が、 贈賄側とされる東京医科大(東京都新宿区)を事業対象に選定するよう省内で後押ししていたとみられることが、 捜査関係者への 取材で明らかになった。
文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、受託収賄容疑で逮捕された同省前科学技術・学術政策局長の佐野太容疑者(58)=4日付で大臣官房付=が、贈賄側とされる東京医科大(東京都新宿区)を事業対象に選定するよう省内で後押ししていたとみられることが、捜査関係者への取材で明らかになった。
東京地検特捜部は、当時官房長だった佐野前局長がその地位を利用して同大学への便宜を図った可能性があるとみている模様だ。
逮捕容疑は、佐野前局長が官房長だった2017年5月、東京医科大の関係者から同省の「私立大学研究ブランディング事業」の対象校に選ばれるよう依頼を受け、その謝礼と知りつつ、今年2月の同大入試を受験した息子の点数を加算させ、合格させてもらったとしている。贈賄側の大学関係者の中には高齢者もおり、特捜部は在宅で捜査を進めている。
同事業は私立大の特色ある事業や研究をブランド化する目的で選定した大学に5年間補助金を出す。17年度は79億円の予算が計上され、188大学が応募し17年11月に同大など60大学が選ばれた。同大は1年分の補助として3500万円の交付を受けた。選定過程では、有識者らで構成する委員会が事業計画を点数化するなどして審査。同省が選定する枠組みになっていた。【巽賢司、遠山和宏、金寿英】