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犠牲次々 子どもが、高齢者が 救助、追いつかない(その1)

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降り続く豪雨は西日本を中心に各地で甚大な被害をもたらした。 河川の 氾濫や土砂崩れで、 街の 様子は一変。 広島では多くの 家屋が土砂に押しつぶされ、 岡山や愛媛では住宅街が濁った水にあっという間に覆われた。 7日に入り、 犠牲者や行方不明者の 数は増え続け、 相次ぐ救助要請や、 被害の 大きさに、 警察や消防の 懸命な活動が
降り続く豪雨は西日本を中心に各地で甚大な被害をもたらした。河川の氾濫や土砂崩れで、街の様子は一変。広島では多くの家屋が土砂に押しつぶされ、岡山や愛媛では住宅街が濁った水にあっという間に覆われた。7日に入り、犠牲者や行方不明者の数は増え続け、相次ぐ救助要請や、被害の大きさに、警察や消防の懸命な活動が追いつかない深刻な状況に陥った。
◆愛媛
「地域のみんなが、宝のように思っていたのに……」。松山市沖の離島・怒和島(ぬわじま)の上怒和地区では、7日未明に民家1棟が土砂にのみ込まれ、3人が犠牲に。この家に住む母親と小学3年と1年の姉妹の死亡が確認され、近所の男性(83)は声を落とした。「島の若者が減る中、3人の存在は喜びそのものだった」
近くの女性(73)も「2人が通うのは子どもが5、6人の小学校。島のみんなが大切に思っていた」と明かす。昨秋の運動会も応援に行ったといい、「お姉さんが体操を頑張っていたのを覚えている。妹さんもしっかりお話ができるかわいらしい子だった」と振り返った。小学校の保護者会で母親と親交があったという女性(40)は、「やさしいお母さんだった。会の活動にも一生懸命な姿が印象的だったのに」と声を詰まらせた。
大雨特別警報が出なかった愛媛県内でも土砂崩れが各地で発生し、犠牲者が相次いでいる。県南部を流れる肱(ひじ)川の氾濫で流域の大洲市や西予(せいよ)市などが水につかり、西予市野村町野村地区では59~82歳の男女5人が自宅の敷地や倉庫、自動車内で遺体で見つかった。
「まさかこんなことに……」。同地区に住む女性(67)は絶句した。肱川の増水を知り、自身は7日午前6時半ごろに近くの公民館に着の身着のまま避難。その後、自宅は濁流にのまれ、近所の人たちが犠牲になったことを知った。水が引いて夕方に家に戻ったものの、電気も水道も止まったままだ。
同地区の子どもたちが通う市立野村小の桃山真二教頭(55)によると、体育館には一時約300人が避難したという。桃山教頭は「生まれてからずっとこの町で暮らすが、川があふれたのは初めて。人が亡くなるなんて」とショックを隠しきれない様子だった。
西予市は今回、大雨や上流のダムの放流を受けて氾濫の危険性が高まったとして、7日午前5時10分に同地区に対して避難指示を出し、防災無線などで地域住民に避難を呼び掛けて回った。
宇和島市吉田町でも土砂に埋まり2人が死亡した。【千脇康平、蒲原明佳】
◆福岡
福岡県筑紫野市原田の水路で7日午前11時45分ごろ、女性が心肺停止状態で見つかり死亡が確認された。近くの山中で土石流に巻き込まれ6日から安否不明となっていた同県宇美町、山崎ツギ枝さん(68)と判明した。
山崎さんはボランティアで老犬の介護をしており、6日午前、犬に餌をやるため山中の保護施設に行っていた。「雨がひどく犬を避難させたい」。正午ごろ、ボランティア仲間の女性が山崎さんから相談の電話を受け、救助を要請。数時間後、消防が駆け付け、避難している途中で土石流に襲われ、山崎さんが安否不明となったという。女性は「毎日犬に愛情を注いでおり、大雨だったが気がかりで仕方なかったのだろう。そこまでできるボランティアはいない」とやり切れない様子だった。【菅野蘭、高芝菜穂子】
◆山口
山口県岩国市周東町上須通では7日未明、民家の男性から「家の中に土砂が入ってきた。2人の安否が分からない」と119番があった。通報した男性は脱出し90代女性が救出されたが70代女性が死亡。近くの同市周東町獺越(おそごえ)を流れる東川では、流木などの間から80代男性が遺体で収容された。同県周南市樋口でも民家が土砂で倒壊し60代女性1人が死亡した。【平塚裕介、真栄平研】
宅配大手各社は7日、豪雨の被害があった府県向けの荷物の受け付けや、被害地域での集配などを見合わせる措置をとった。
ヤマト運輸は、四国4県の全域と、関西、中国、九州など9府県の一部地域に届ける荷物の受け取りを、朝から見合わせた。8日以降については同日午前にホームページ(HP)で知らせる。
佐川急便は、広島、岡山両県の全域のほか、近畿や四国、九州の一部地域で集配を見合わせた。【宇都宮裕一】

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