家庭の 事情でスペインに一時帰国していたイニエスタが3試合ぶりに復帰、 足取りを合わせたようにポドルスキも帰ってきた。 左腓腹(ひふく)筋肉離れと左足剥離骨折の けがが癒え、 5月2日以来の 出場。 磐田が何よりも警戒した神戸の 両雄の そ…
家庭の事情でスペインに一時帰国していたイニエスタが3試合ぶりに復帰、足取りを合わせたようにポドルスキも帰ってきた。左腓腹(ひふく)筋肉離れと左足剥離骨折のけがが癒え、5月2日以来の出場。磐田が何よりも警戒した神戸の両雄のそろい踏みがかなうと、たちまち鮮やかな共演が相成った。
磐田戦の前半、GKカミンスキーをかわし、先制ゴールを決める神戸のイニエスタ=共同
15分、右サイドからポドルスキがドリブルで切れ込み、ペナルティーエリアに進入したイニエスタに高速パス。ここで名手ならではの妙技が飛び出す。ボールの勢いを吸収しつつ右足でかきながら反転、軽業師のような身のこなしで磐田のDF大井を置き去りにした。 GKカミンスキーもかわし、右足で流し込むまでの何という流麗さ。3試合目で待望の来日初得点にイニエスタは「素晴らしいパスからいいゴールを決められて喜んでいる。しかもホームで」。
するすると中央突破を遂げるイニエスタが飛車なら、鋭角に切れ込むポドルスキは角。その2枚の大駒が常に「成った」状態で縦横無尽に攻め込むときの盤面のにぎやかさといったらない。
離脱前は前線から最終ラインまでせっせと動いてボール回収にいそしんでいたポドルスキが、この日は仁王立ちして戦況を見つめる場面がしばしば。中央を任せられる盟友の登場でポドルスキの荷が軽くなったことが、神戸が大きく変わりつつあることを物語る。
「ああいう素晴らしい選手が日本に来て幸せ」とポドルスキが話せば、イニエスタは「これからは組み立てだけでなくゴールでもチームを手伝えれば」。極上の連係がJリーグを席巻していきそうな気配だ。(合六謙二)