アジア大会の 男子マラソンで日本選手として32年ぶりの 快挙を果たした井上大仁選手。 勝利の 裏には勝負に徹した「冷静さ」 、 暑さ…
アジア大会の男子マラソンで日本選手として32年ぶりの快挙を果たした井上大仁選手。勝利の裏には勝負に徹した「冷静さ」、暑さに対する「周到な準備」、そして勝ち切るという「熱い気持ち」がありました。 この日のジャカルタは、午前6時のスタートの時点で気温は26度、湿度は80%近い蒸し暑さと予想されていた厳しい条件のなかでのレースでした。 タイムが期待できないなか、狙いは勝つこと。「超スローペース」とも言えるレース展開のなか、井上選手は集団の中でじっと「その時」を待っていました。 「中盤までの遅いペースでもイライラせずよけいな動きはしなかった。自分のスタミナを温存して仕掛けどころで一気に仕掛ける。そう思い描いて走っていた」(井上選手) 自分から仕掛ける前に37キロすぎ、バーレーンの選手が飛び出しました。ここが勝負どころと、井上選手は温存していた体力を一気に使ってついて行きました。 「ラストスパート勝負なら勝つ自信はあった」 勝つことだけを考え、しっかりと勝負どころを見極める作戦が、ラスト200メートルの勝負を制したことにつながりました。