【パリ時事】 フランスの パリで11日、 第1次大戦終結100周年に合わせて「パリ平和フォーラム」 が開かれ、 約70カ国・ 機関の 首脳が出席した。 マクロン大統領やドイツの メルケル首相らが演説し、 トランプ米大統領が掲げる「米国第一」 の 外交政策を念頭に、 国際社会で頭をもたげる偏狭なナショナリズムに相次いで懸念を表明した。 トランプ氏はフォーラムに出席しなかった。 要人120人超が戦没者追悼=第1次大戦終結100年-仏 フォーラムを主催したマクロン氏は、 冒頭の あいさつで「ナショナリズムと人種差別主義の 再来でわれわ
【パリ時事】フランスのパリで11日、第1次大戦終結100周年に合わせて「パリ平和フォーラム」が開かれ、約70カ国・機関の首脳が出席した。マクロン大統領やドイツのメルケル首相らが演説し、トランプ米大統領が掲げる「米国第一」の外交政策を念頭に、国際社会で頭をもたげる偏狭なナショナリズムに相次いで懸念を表明した。トランプ氏はフォーラムに出席しなかった。
要人120人超が戦没者追悼=第1次大戦終結100年-仏
フォーラムを主催したマクロン氏は、冒頭のあいさつで「ナショナリズムと人種差別主義の再来でわれわれは弱体化している」と強調。メルケル氏も「国際的な協力が疑問視され、相互の関係や約束事を無視してもよいという風潮が再び生まれつつある」と危機感を表明した。 トランプ氏は自国の利益を公言し、地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」などの国際合意から一方的に離脱。移民らを国内から排除する政策で支持を得ようとしている。 メルケル氏は、貿易問題をめぐってトランプ氏と対立。国内では移民排斥を掲げるポピュリスト勢力の台頭に押され、2021年の首相退任を余儀なくされている。 首脳らが懸念しているのは、第1次大戦終結後に欧州を席巻したファシズムの再来だ。ドイツでは、民族至上主義を掲げて他民族を排除し、愛国心をあおるナチス・ドイツのヒトラーに国民は熱狂、第2次大戦へと突き進んだ。 グテレス国連事務総長は演説で、「今日の政治と社会の偏向は、基本的人権と自由、民主主義の原則に危機をもたらす」と警告。「(ファシズムが台頭した)1930年代と同様のことが今起きている」と訴えた。(2018/11/12-11:43)